最低賃金アップで新人とベテランパートの時給差が10円に|離職を防ぐ昇給設計を社労士が解説|一般社団法人クレア人財育英協会
最低賃金の引き上げで新人パートの募集時給を上げたら、5年勤めたベテランパートとの差がわずか10円に――。違法ではありませんが、放置するとベテランの不満や離職につながります。パートにも昇給の仕組みをつくり、最低賃金の改定時期に評価と昇給を合わせる方法を、特定社会保険労務士が約3分で解説します。
この記事の要点
- 新人とベテランの時給がほぼ同じでも違法ではない理由
- 時給差10円が離職につながる理由
- パートの昇給時期を最低賃金の改定時期に合わせる方法
- 評価が低い人が最低賃金を下回る場合の対応
解説動画
チャプター
0:00 質問|新人の時給を上げたらベテランと同じに
0:25 結論|違法ではないが離職のリスク
0:43 時給差10円のケース
1:07 対策|パートにも昇給の仕組みを
1:44 評価が低い人はどうする?
2:02 今日の格言
解説のポイント
最低賃金が毎年大きく上がるなか、多くの職場では新人パートの募集時給を最低賃金に合わせて引き上げています。一方で、すでに最低賃金を上回っている既存のパートの時給は据え置かれがちです。その結果、たとえば新人の募集時給が1,160円、5年勤務のベテランが1,170円と、経験の差がわずか10円にしか反映されない状況が生まれています。
違法ではない。だからこそ見落とされる離職リスク
既存のパートの時給が最低賃金額以上であれば、新人と同水準でも法律上の問題はありません。しかし、経験や貢献が評価されていないと感じたベテランが「他の職場を探そう」と考えるのは自然なことです。人手不足が続くなかで、育成した人材を失う損失は小さくありません。
対策は「パートにも昇給の仕組み」をつくること
動画では、パートの昇給時期を最低賃金の改定時期(例年10月ごろ)に合わせ、評価にもとづいて既存パートの時給を見直す方法を紹介しています。評価の結果、最低賃金を下回る人が出る場合には、その人だけ最低賃金額まで引き上げることで、新人との適切な差を保つことができます。
よくある質問
Q. 最低賃金の引き上げで新人とベテランの時給差がなくなっても違法ではありませんか?
A. 既存のパートの時給が最低賃金額以上であれば違法ではありません。ただし経験や評価が時給に反映されないと、ベテランの不満や離職の原因になります。
Q. パートの時給差をどう維持すればよいですか?
A. パートにも評価にもとづく昇給の仕組みを設け、昇給の時期を最低賃金の改定時期(10月ごろ)に合わせると、新人との差を保ちやすくなります。評価の結果、最低賃金を下回る人がいる場合は最低賃金額まで引き上げます。
解説者
小野 純(おの・じゅん)|特定社会保険労務士
企業・教育機関等で累計400回以上のハラスメント・労務研修に登壇。「法律をどう現場に落とし込むか」を重視した実践的な講義に定評があり、雇用クリーンプランナー資格の監修・講師を務める。
参考資料
厚生労働省「地域別最低賃金の全国一覧」/最低賃金法第4条
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