入社直後の休職を採用段階で防げる?離職票で分かることと本人同意の注意点を社労士が解説|一般社団法人クレア人財育英協会
入社してすぐにメンタル不調などで休職してしまうケースが増えています。面接で「健康です」と言われると、それ以上は確認しにくいものです。雇用保険の離職票には直近の月ごとの賃金支払基礎日数と賃金額が記載されており、月給者で日数が不自然に少ない月があれば、休んでいた可能性が分かることがあります。一方で、離職票の提出に義務はなく、確認には本人の同意が必要です。病名まで詮索することは避けるべきです。採用の場面で使える確認方法と注意点を、特定社会保険労務士が約2分半で解説します。
この記事の要点
- 離職票に記載されている直近の勤務の記録(賃金支払基礎日数・賃金額)
- 月給者で日数が30・31日でない月があれば休んでいた可能性
- 年次有給休暇を取得しても日数は減らない理由
- 離職票の提出義務はなく、本人同意が前提であること
- 病名まで詮索するのは危険
解説動画
チャプター
0:00 質問|入社後すぐ休職する人を事前に見抜ける?
0:22 結論|離職票の直近の記録がヒントに
0:48 離職票で何が分かるのか
1:15 有給休暇を取っていた場合は?
1:28 離職票の提出を求めてよいか
1:53 今日の格言
解説のポイント
人手不足のなかで採用した社員が、入社して間もなくメンタル不調などで休職してしまう――。こうした相談は年々増えています。面接で健康状態を尋ねても、「健康です」と答えられればそれ以上の確認は難しく、採用担当者が悩みを抱えやすいテーマです。
離職票に残る「直近の勤務の記録」
雇用保険の離職票には、離職前の月ごとの賃金支払基礎日数と賃金額が記載されています。月給制で欠勤控除がない月は暦日数(30日・31日など)となるため、日数が不自然に少ない月があれば、その期間に休んでいた可能性が分かることがあります。なお、年次有給休暇は出勤したものとして扱われるため、有給休暇の取得で日数が減ることはありません。
提出義務はない。本人同意と「病名を詮索しない」が前提
一方で、離職票は再就職の際に提出する義務がある書類ではありません。確認する場合は、目的を説明して本人の同意を得たうえで、コピーなどを見せてもらう形にする必要があります。また、健康情報は特に配慮が必要な個人情報であり、職業安定法でも求職者の個人情報は業務の目的に必要な範囲で収集することとされています。日数が少ない理由として病名まで詮索することは避け、採否は職務を遂行できるかどうかで判断することが大切です。
動画では、採用の場面で離職票をどのように活用できるか、そしてどこに線を引くべきかを、約2分半で解説しています。
よくある質問
Q. 応募者に離職票の提出を求めてもよいですか?
A. 離職票は再就職の面接時に提出する義務がある書類ではありません。確認する場合は目的を説明し、本人の同意を得たうえでコピーなどを見せてもらう形にします。
Q. 離職票で日数が少ない月があった場合、病名を聞いてもよいですか?
A. 病名まで詮索するのは避けてください。健康情報は特に配慮が必要な個人情報です。採否は職務を遂行できるかどうかで判断し、必要があれば「現在、業務に支障がないか」を確認する程度にとどめます。
解説者
小野 純(おの・じゅん)|特定社会保険労務士
企業・教育機関等で累計400回以上のハラスメント・労務研修に登壇。「法律をどう現場に落とし込むか」を重視した実践的な講義に定評があり、雇用クリーンプランナー資格の監修・講師を務める。
参考資料
雇用保険法施行規則(離職証明書・離職票)、職業安定法第5条の5(求職者等の個人情報の取扱い)、厚生労働省「公正な採用選考の基本」
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