2026.07.21

【社労士解説】副業解禁時代に潜む罠。会社に黙って副業すると「懲戒処分」になる3つの危険なケースと就業規則の落とし穴|一般社団法人クレア人財育英協会

一般社団法人クレア人財育英協会は、多様な働き方が広がる中で急増している「副業・兼業」にまつわる労使トラブルを防ぐため、企業の人事労務担当者およびビジネスパーソン向けに、副業が懲戒処分となるケースと正しいルールの守り方を解説する最新動画を公開いたしました。「政府が推進しているから副業は自由なはずだ」という従業員側の誤解と、「ルールが未整備のまま放置されている」企業側の双方に潜む法的リスクについて、当協会の特定社会保険労務士・小野純が徹底解説します。

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1. 政府推進でも「完全自由」ではない。会社員が負う4つの義務

政府は多様な働き方の一環として副業・兼業を推進しており、社会全体としても「副業解禁」のムードが高まっています。しかし、会社員として雇用契約を結んでいる以上、従業員は勤務先に対して以下の4つの法的な義務を負っており、これらに違反するような副業は原則として認められません。

  • 職務専念義務:勤務時間中は、会社の業務に専念しなければならない義務。
  • 秘密保持義務:自社の顧客情報や技術ノウハウ等の機密情報を外部に漏らしてはならない義務。
  • 競業避止義務:自社と競合する事業を自ら行ったり、競合他社で働いたりして会社の利益を侵害しない義務。
  • 信用保持義務:会社の社会的信用やブランドイメージを傷つけるような行為を行わない義務。

2. 懲戒処分の対象となり得る「3つの危険なケース」

上記の義務に照らし合わせ、具体的に以下のような副業を行った場合、会社に発覚した際に懲戒処分(減給、出勤停止、最悪の場合は懲戒解雇等)の対象となる可能性が極めて高くなります。

  • 本業に支障が出るような副業:深夜遅くまで及ぶアルバイトや長時間の労働により、疲労困憊で本業中に居眠りをする、遅刻や欠勤が増える、ミスが多発するなど、明らかに職務専念義務に違反しているケースです。
  • 競合他社での勤務や情報漏洩:本業と同じ業界・業種のライバル企業でアルバイトをしたり、本業で得た顧客リストやノウハウを自身の副業(起業)に流用したりする行為は、重大な背信行為とみなされます。
  • 会社の信用を損なうような行為:違法スレスレのビジネス、反社会的勢力との関わり、またはマルチ商法(ネットワークビジネス)等を社内の人間に勧誘し、職場の風紀や会社の信用を著しく乱すケースです。

3. 会社が今すぐ実行すべき「副業ルール整備」のステップ

副業トラブルを防ぐためには、企業側が就業規則を現代の働き方に合わせてアップデートしておくことが不可欠です。

  • ステップ1(現状の確認):自社の就業規則が「全面禁止」のままになっていないか確認します。合理的な理由のない全面禁止は、労働トラブル時に無効と判断されるリスクがあります。
  • ステップ2(許可制・事前届出制の導入):「副業を行う場合は、事前に会社の許可(または届出)を必要とする」と明記し、許可する基準と不許可とする基準(上記3つの危険なケース等)を明確に定めます。
  • ステップ3(社内への周知):「副業はルールの中での自由であること」「無断で行った場合はルール違反として処分の対象になること」を全社に周知徹底します。

4. 副業と就業規則に関するよくある疑問と回答

人事担当者様やビジネスパーソンから多く寄せられる、副業に関する実務上の重要ポイントをQ&A形式で整理しました。

Q. 会社に黙って(無断で)副業していた場合、どうなりますか?

A. 就業規則で「許可制(届出制)」と定められているにもかかわらず無断で行っていた場合、極めて危険です。
たとえその副業内容自体が本業に影響のない健全なものであったとしても、「会社のルール(就業規則)を意図的に破った」という事実そのものが職場秩序を乱す行為として、懲戒処分の対象となる可能性があります。

Q. 自社の就業規則に「副業に関する記載」が一切ない場合はどうなりますか?

A. 原則として、従業員は勤務時間外を自由に利用できるため、副業をしても問題ないと解釈されます。
だからこそ、企業側は「何も書いていない」状態を放置するのは非常に危険です。競合他社への情報漏洩や過重労働による健康被害を防ぐためにも、早急にルール(許可制や禁止事項)を就業規則に明文化する必要があります。

5. 報道関係者・メディア様向け個別取材・質問会のご案内

一般社団法人クレア人財育英協会では、副業・兼業解禁に伴う労使トラブル対策をはじめ、最新の労働法対応やハラスメント防止に関するメディア関係者様からの取材・企画協力を随時承っております。

  • 内容:報道関係者・メディア・企業向け(個別取材・情報提供・コメント寄稿)
  • 日時:随時対応(オンライン対応・電話取材可。貴社のスケジュールに合わせ柔軟に調整いたします)
  • 費用:無料
  • 備考:専門家(特定社労士)としての客観的なデータ提供や、現代に合わせた就業規則アップデートの具体事例解説が可能です。

6. 一般社団法人クレア人財育英協会の視点(当協会の役割)

副業は決して「何でもありの自由」ではなく、「明確なルール(就業規則)の中での自由」です。企業側が適切なルールを整備せずに放置すれば、従業員は不安を抱えながら隠れて副業を行い、結果として情報漏洩や過重労働といった重大なコンプライアンス違反を引き起こします。当協会が育成する『雇用クリーンプランナー』は、こうした最新の働き方の変化に伴うリスクを的確に把握し、企業と労働者双方が守るべき就業規則の整備や社内ルールの浸透を推進する専門人材です。有資格者を組織に配置することで、副業に関する労使の認識のズレをなくし、トラブルを未然に防ぐ健全な組織運営をサポートします。


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