2026.10.09

就活セクハラ対策、SNSとOB・OG訪問で採用担当が見落としやすい接点

この記事の結論:就活セクハラ対策では、面接担当者だけでなく、学生と接する現場社員にも連絡と面談のルールを伝える必要があります。個人のSNSやOB・OG訪問を通じた接点を把握し、学生が採用への影響を心配せず相談できる経路を整えることが重要です。

  • 政府広報は10月8日、求職者等へのセクハラ対策を含む義務化を案内しました。
  • 宮崎大学の案内では、OB・OG訪問やオンラインでの求職活動も挙げられています。
  • 私的なアカウントで連絡したから会社と無関係、とは決めつけられません。

就活セクハラ対策の範囲を、学生との接点から考える

政府広報オンラインは10月8日、カスハラと求職者等へのセクハラ対策が10月1日からすべての事業主に義務化されたことを案内しました。同日更新の宮崎大学の案内では、面接に加え、OB・OG訪問、インターンシップ、SNS等のオンラインでの求職活動などが挙げられています。

学生からの企業研究の相談は、人事担当者を通さず現場社員へ届くこともあります。そのとき会社が連絡の方法を把握していなければ、相手がどの立場で対応しているのか、困った場合に誰へ連絡すればよいのかが曖昧になります。採用面接の研修だけで対策が完結していないか、接点を洗い出すことが出発点です。

例えば、企業研究の質問を受けた社員が、私的な会食へ繰り返し誘う場面を考えます。学生が丁寧に返信していても、選考への影響を心配して断りにくい可能性があります。返信があることを、私的な誘いへの自由な同意と決めつけないようにする必要があります。これは一般的な研修用の想定であり、特定の企業の事例ではありません。

報道を踏まえ、企業で確認したい点を整理すると次のとおりです。以下は当協会の実務上の提案であり、報道された組織の実際の運用を示すものではありません。

確認する場面 見落としやすい点 整えたい対応
SNSでの連絡 会社の活動と私的な交流が曖昧になる 業務上使用する連絡先と、相談先を学生へ案内
OB・OG訪問 面談場所や時間を個人だけで決める 会社のルールを共有し、変更時の連絡経路を用意
相談受付 相談相手が採用評価にも関わる 別担当へ相談できる方法と情報の扱いを説明

相談先を知らせることも、採用活動の一部

私たち一般社団法人クレア人財育英協会は、ハラスメントのない健全な職場環境づくりを推進する立場として、学生が「この相談で選考に不利になるのでは」と感じる状況を想定して窓口を設計することを提案します。会社の連絡先が書いてあるだけでは、誰が話を聞き、採用担当へ何が伝わるのか分からないままです。

窓口の案内では、相談を理由とする不利益な取扱いをしない方針と、情報共有の範囲を説明します。何も調べずに完全な秘密を約束するのではなく、事実確認のため必要となる対応を本人に説明しながら進めることが大切です。

雇用クリーンプランナー(KCP)の視点:面接以外の接点にも同じルールを届ける

採用担当者が配布した資料を、学生と接する社員まで届けるための実務上の提案です。

  1. 現場社員の役割を明確にする
    OB・OG訪問や実習受入れを担当する社員に、対応範囲と連絡方法を案内します。担当変更時も学生に新しい窓口を知らせます。
  2. 面談の予定を共有する
    業務上の目的、場所、時間を決め、会社で必要な範囲を把握します。学生に断りづらい私的な誘いをしないことを具体例で伝えます。
  3. 相談と評価の経路を分ける
    評価担当者本人への申告しか方法がない状態を避けます。大学等から相談が届いたときの受付担当も決めておきます。

学生の振る舞いより、企業側の接し方を整える

就活セクハラ対策を、学生に注意事項を配るだけで終わらせないことが大切です。企業側が連絡や面談のルールを持ち、現場社員にも運用できる形で伝えましょう。

相談が届いたら、証拠をすべてそろえてから来るよう求めるのではなく、本人の話せる範囲から状況を聞きます。個別の法的評価は、事実関係を確認した上で専門家と検討してください。

現場で使えるハラスメント対策を学ぶ

一般社団法人クレア人財育英協会では、職場のハラスメント防止に取り組む雇用クリーンプランナーの育成・認定を通じ、企業の継続的な職場環境づくりを支援しています。

相談対応や予防教育を担う人材を育て、社内の対策を実務につなげたいとお考えの企業様は、ぜひ当協会の資格認定プログラムをご活用ください。

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