2026.06.09

ハラスメント告発が「権力闘争の武器」にされる恐怖。千葉商科大クーデター騒動から学ぶガバナンスの崩壊|一般社団法人クレア人財育英協会

この記事の結論:ハラスメントという「誰も反論できない大義名分」を利用し、正規の調査プロセスを飛ばして相手を排除しようとする行為は、組織のガバナンスを完全に破壊します。ハラスメント問題は、密室での政争の具ではなく、独立した第三者機関による客観的な事実認定によってのみ処理されなければなりません。

  • 千葉商科大学において、ハラスメントを理由に理事長への辞任要求(クーデター)が発生
  • 中立的な調査委員会による事実認定を待たず、密室で解任を迫る手続きの異常性
  • 「正義の武器化」を防ぎ、適正手続き(デュープロセス)を守るKCPの実務的アプローチ

ハラスメントを理由とした「密室での辞任要求」が勃発

千葉商科大学を運営する学校法人において、前代未聞の“クーデター騒動”が報じられました。その最大の引き金として利用されたのが、「ハラスメント問題」です。

報道によると、事務局長ら一部の理事が「ハラスメントの証拠がある」として理事長室を訪れ、密室で辞任を要求。さらに、学園の規程で定められている「中立的な調査委員会の設置」や「客観的な事実認定」といった正規のプロセスを飛ばし、臨時理事会での理事長解任を強行しようとしたとされています。

これに対し、理事長側は「公式な事実認定という不可欠なプロセスを意図的に飛び越えた不当なクーデターである」と強く反発し、法的措置も辞さない構えを見せています。

問題の核心:被害者救済ではなく「権力闘争の武器」化するハラスメント

この騒動において、企業の人事や経営層が注視すべき最大のポイントは、理事長によるハラスメントの真偽ではありません。ハラスメントという「誰も表立って反論できない絶対的な正義(大義名分)」が、派閥争いや相手を失脚させるための「武器」として利用されているという構造的な恐怖です。

本来、ハラスメントの告発は「被害者の救済」と「職場環境の改善」のために行われるべきものです。しかし、ガバナンスが脆弱な組織では、「あいつはパワハラをしている」という噂や一部の切り取られた情報を盾に、適正な調査(デュープロセス)を経ることなく、密室の交渉で政敵を排除しようとする動きが起こり得ます。

このような「正義の武器化」を許せば、組織内は疑心暗鬼に包まれ、誰もが足の引っ張り合いをする腐敗した風土へと転落してしまいます。

民間企業への警鐘:適正手続き(デュープロセス)の省略は自滅を招く

企業においても、「ハラスメントの告発があったから、とりあえず該当者を異動(または降格)させよう」と、性急に判断を下してしまうケースが散見されます。

しかし、片方の言い分だけを鵜呑みにし、客観的な事実認定を飛ばして処分を下すことは、後に行政や司法から「不当な処分」「手続きの瑕疵」として会社側が厳しく罰せられる原因となります。ハラスメントの事案こそ、どれほど重大に見える告発であっても、感情論を排し、冷徹なまでに「手続きの正当性」を守り抜かなければならないのです。

雇用クリーンプランナー(KCP)の視点:正義の暴走を防ぐ「適正手続き」の徹底

ハラスメント告発が権力闘争や私怨のツールとして悪用されることを防ぐため、経営層が構築すべきガバナンスは以下の3つです。

  1. 「密室での処分・辞任要求」の厳格な禁止:
    ハラスメントを理由とした人事処分や辞任の要求は、当事者同士の密室で行うことを一切禁じ、必ず公式な窓口と人事・法務部門を通すことをルール化します。
  2. 第三者委員会による「客観的な事実認定」の義務化:
    特に役員や管理職が関わる事案では、社内の人間関係や派閥の意向が介入しないよう、外部の専門家(弁護士やKCP等)による独立した調査委員会の認定を処分の絶対条件とします。
  3. 虚偽の告発や情報漏洩に対するペナルティの明記:
    被害者保護は最優先事項ですが、相手を陥れるための意図的な虚偽告発や、調査確定前に「あいつはハラスメントをした」と社内に情報を吹聴する行為自体を、重大なコンプライアンス違反として処罰の対象とします。

結語:手続きを守れない組織は、正義も守れない

千葉商科大学の騒動がどう着地するにせよ、「正規のプロセスを無視してハラスメント情報を権力闘争の具にした」という事実が残れば、その組織が社会からの信用を取り戻すことは極めて困難です。

「ハラスメントを許さない」という強い姿勢と、「適正な調査・手続きを遵守する」という冷静なガバナンスは、常に両輪で機能しなければなりません。大義名分に酔い、ルールを軽視する組織には、真の健全さは決して宿らないのです。

ハラスメントのない健全な職場環境をつくるために

ハラスメント問題は、感情や派閥争いによって歪められやすく、社内だけで公正に裁くことは困難です。一般社団法人クレア人財育英協会では、適正な手続き(デュープロセス)を遵守し、独立した客観的な調査を行う専門家である「雇用クリーンプランナー(KCP)」の育成と認定を行っています。

「ハラスメント告発に対する公正な調査プロセスを確立したい」「役員間のガバナンスを強化したい」とお考えの企業様は、ぜひ当協会の資格認定プログラムをご活用ください。

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