2026.10.10

カスハラ対応訓練、接客担当以外の通報と周囲の安全確保まで練習する

この記事の結論:朝日新聞は2026年10月9日、上越署が日本政策金融公庫高田支店でカスハラ対応訓練を行ったと報じました。接客担当者以外の職員が通報に動く場面もあり、訓練では受け答えに加え、周囲の安全確保と警察への引継ぎまで確認することが大切です。

  • 訓練は10月7日に実施され、融資を要求して机をたたく場面などが想定されました。
  • 別の職員による通報も、組織としての対応の一部です。
  • 自社の訓練では、通報担当と周囲の人への案内、引継ぎ情報を具体化します。

上越の金融機関で実施されたカスハラ対応訓練

朝日新聞によると、上越署は10月7日、日本政策金融公庫高田支店で訓練を行いました。融資を求める役が机をたたくなどし、対応中の職員とは別の職員が非常通報装置を使って警察へ通報する流れが取り上げられています。

この事例から考えたいのは、接客担当者が説明と助けを求める操作をすべて抱え込まない役割分担です。実際の対応では、窓口の近くにいる人への案内や、到着した警察への状況説明も必要になる場合があります。以下は報道にある訓練の再現ではなく、自社で実施する際の提案です。

報道を踏まえ、企業で確認したい点を整理すると次のとおりです。以下は当協会の実務上の提案であり、報道された組織の実際の運用を示すものではありません。

確認する場面 見落としやすい点 整えたい対応
周囲が異変に気付く 接客担当だけが対応を続ける 通報や責任者への連絡を担う人を決める
危険が生じる 他の顧客が近くに残る 安全な距離を取り、周囲への案内を行う
警察へ引き継ぐ 経緯を長く説明して現在の危険が伝わらない 場所、現在の言動、けが人の有無等を簡潔に伝える

訓練の観察対象を、窓口の会話から周囲の動きへ広げる

私たち一般社団法人クレア人財育英協会は、ハラスメントのない健全な職場環境づくりを推進する立場として、カスハラ対応訓練では、接客担当者の言い回しだけを評価しないことを提案します。周囲の職員が異変を把握し、安全を確保しながら必要な連絡を取れるかを確認することで、組織の対応を点検できます。

正当な苦情を伝えたことだけで通報対象と決めつけず、要求の内容と言動を分けて考えます。一方、危険がある場合には詳しい聞き取りや記録より安全確保を優先します。通報する場面の想定や警察との連携については、地域の警察等へ事前に相談しておくと訓練を具体化しやすくなります。

雇用クリーンプランナー(KCP)の視点:通報役と周囲への案内役も交代して練習する

実際の配置に近い形で短い訓練を行い、職員ごとに担う役割を確認します。

  1. 持ち場ごとの役割を決める
    接客を担当する人、連絡する人、周囲へ安全な場所を案内する人を整理します。少人数の時間帯では無理に役割を増やさず、安全に可能な対応を検討します。
  2. 伝える内容を短くまとめる
    通報時には場所と現在起きていることをまず伝え、相手の案内に従います。けが人や危険物の有無などは、確認できた事実を伝え、推測と混ぜないようにします。
  3. 動けなかった理由を振り返る
    連絡方法が分からない、担当が重複する、案内先が決まっていないなど、手順の不足を確認します。個人の度胸や話術だけの問題にせず、配置や案内を直します。

カスハラ対応訓練を、職場全体の動きを確かめる機会にする

カスハラ対応訓練は、担当者が一人で相手を落ち着かせられるかを競う場ではありません。必要な連絡と安全確保を、周囲の職員が協力して行えるか確認することが大切です。

訓練後は、どの場面で誰の動きが止まったかを記録し、手順を修正しましょう。対応の後には、担当者や居合わせた職員の負担を確認し、必要な支援につなぐことも忘れないようにします。

現場で使えるハラスメント対策を学ぶ

一般社団法人クレア人財育英協会では、職場のハラスメント防止に取り組む雇用クリーンプランナーの育成・認定を通じ、企業の継続的な職場環境づくりを支援しています。

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