2026.10.10

長時間労働とパワハラを別々に扱わない、相談後に職場の負担を減らす対応

この記事の結論:朝日新聞は2026年10月9日、敦賀市が亡くなった職員の遺族に約7,500万円を支払って和解する方針を報じました。第三者委員会は長時間労働と上司のパワハラが原因と結論付けたとされています。企業でも勤務時間と言動の相談をつなぎ、当面の負担を減らす対応が重要です。

  • 報道は第三者委員会の報告と市の和解方針を扱っており、裁判所の認定と混同しません。
  • 残業時間だけでなく、仕事の割当てと上司から受ける言動を合わせて確認します。
  • 相談の対象となった上司だけを、業務調整の唯一の窓口にしないようにします。

敦賀市の和解方針の報道から、相談と業務調整の接点を考える

朝日新聞によると、敦賀市の第三者委員会は、2024年に亡くなった職員について長時間労働とパワハラが原因とする報告を2025年にまとめました。市議会は2026年10月9日、遺族への賠償に関する議案などを可決したと報じられています。

企業での予防を考えるうえでは、残業を減らす指示と、上司の言動に関する調査を別々に進めるだけでは、負担の全体が見えないことがあります。業務量が変わらないまま早く帰るよう求められたり、相談の対象者に仕事の調整を頼むしかなかったりしないかを確認する必要があります。

報道を踏まえ、企業で確認したい点を整理すると次のとおりです。以下は当協会の実務上の提案であり、報道された組織の実際の運用を示すものではありません。

確認する場面 見落としやすい点 整えたい対応
勤務実態を確認 残業時間の数字だけで説明を終える 担当業務、期限、応援の有無も確認する
言動の相談を受ける 直属上司への相談を先に求める 上司を経由しない相談経路を案内する
負担を減らす 調査が終わるまで手を打たない 事実確認と並行して当面の安全や業務負担を検討する

「残業を減らして」と伝えた後に、仕事がどう変わったかを見る

私たち一般社団法人クレア人財育英協会は、ハラスメントのない健全な職場環境づくりを推進する立場として、長時間労働とパワハラを、それぞれの担当部署だけで完結させない対応を提案します。必要な範囲で連携し、勤務の記録と相談内容から、誰が業務量や指揮命令の関係を調整できるかを確認することが大切です。

情報共有は無制限に行うものではありません。相談者に共有の目的や範囲を説明し、必要な担当者に絞って進めます。事実確認の結論を急がず、相談したことで仕事を外されたと受け止められるような一方的な変更にも注意し、本人の意向と当面の配慮を丁寧に確認しましょう。

雇用クリーンプランナー(KCP)の視点:業務量と言動を同じ時間軸で確認する

労働時間の数字と相談の出来事を並べると、追加で確認したい状況が見えてきます。数字だけで原因を断定しないことも必要です。

  1. 仕事の増減を具体化する
    業務名、期限、担当の変更、支援を求めた相手と回答を、分かる範囲で確認します。本人に詳細な資料をすべて作らせることを相談受付の条件にしません。
  2. 調整できる人を決める
    相談対象者以外の責任者や人事担当者が、当面の業務配分と連絡方法を検討します。健康上の心配がある場合は、適切な専門職の支援につなぎます。
  3. 変更後の負担を確かめる
    仕事を減らしたはずでも別の担当が増えていないか、連絡や叱責が続いていないかを確認します。次の確認日と、困ったときの連絡先を共有します。

相談の受付を、負担を減らす行動につなげる

長時間労働とパワハラが重なる場合、相談窓口があることだけでは十分とはいえません。勤務実態と言動を確認し、業務を調整する権限を持つ人へつなげることが重要です。

報道された組織の運用の詳細を推測するのではなく、自社で相談を受けた場合の動きを点検しましょう。確認を続けながら、当面の負担軽減と相談者への配慮を進められる体制を整えることが大切です。

現場で使えるハラスメント対策を学ぶ

一般社団法人クレア人財育英協会では、職場のハラスメント防止に取り組む雇用クリーンプランナーの育成・認定を通じ、企業の継続的な職場環境づくりを支援しています。

相談対応や予防教育を担う人材を育て、社内の対策を実務につなげたいとお考えの企業様は、ぜひ当協会の資格認定プログラムをご活用ください。

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