2026.09.29

10月1日から「就活セクハラ」防止が全企業の義務に|インターン・OB訪問・SNS連絡まで対象、採用現場で整えるべき体制|一般社団法人クレア人財育英協会

この記事の結論:2026年10月1日、改正男女雇用機会均等法が施行され、これまで「労働者」に限られていたセクシュアルハラスメント防止措置の対象に「求職者等」が加わり、すべての事業主に就活セクハラ対策が義務付けられます。弁護士JPニュース(2026年9月29日)によると、対象となる言動には性的な冗談やからかい、執拗な食事・デートへの誘い、性的な関係の要求などが含まれ、採用面接だけでなく会社説明会、インターンシップ、教育実習、OB・OG訪問の場面、さらにSNSやメールでのやりとりも射程に入ります。企業は方針の明確化と周知、相談窓口の設置、申出後の事実確認、被害を受けた求職者への配慮、行為者への対応、再発防止までを、採用活動の実務として整える必要があります。

  • 2026年10月1日施行の改正男女雇用機会均等法により、求職者等に対するセクハラ防止措置が全事業主の義務となる。
  • 面接の場だけでなく、インターンシップ・教育実習・OB/OG訪問、SNSやメール上の連絡も対象になり得る。
  • 求める対応は、方針の明確化・周知、相談窓口、事実確認、被害者への配慮、行為者への対応、再発防止という一連の仕組みづくり。

「食事の誘い」「SNSでの連絡」も対象に 義務化される就活セクハラ対策の中身

2026年10月1日、改正男女雇用機会均等法が施行されます。従来、セクシュアルハラスメントの防止措置義務は自社で雇用する「労働者」を対象としていましたが、改正後はこれに「求職者等」が加わります。学生や転職希望者といった採用候補者に対するハラスメント、いわゆる「就活セクハラ」への対策が、企業規模を問わずすべての事業主の義務になります。

弁護士JPニュースが2026年9月29日に報じた解説によると、厚生労働省が想定している対象行為は「求職活動を妨げるような、労働者による性的な言動」です。具体例として、性的な冗談やからかい、執拗な食事やデートへの誘い、性的な関係を求める言動が挙げられています。手段も対面に限られず、SNSやメールを通じた連絡も含まれるとされています。

場面についても、採用面接の席だけが対象ではありません。会社説明会、インターンシップ、教育実習、OB・OG訪問といった、採用活動に関わる接点全般が視野に入っています。人事部門の管理が届きにくい場面ほどリスクが高い、という構造がここに表れています。なお、女性活躍推進企業データベースでの公表事項にセクハラ防止措置の取り組みが加えられるなど、取り組み状況を外部に示す仕組みづくりも同時に進んでいます。

採用活動のどの場面で、どのような点に注意が必要になるのかを整理すると、次のように考えられます。

場面 対象となり得る言動の例 企業が備えるべきこと
採用面接・会社説明会 性的な冗談やからかい、応募者の容姿や交際関係に踏み込む発言。 質問項目と面接担当者の役割を事前に確認し、複数名での面接や記録の運用を整える。
インターンシップ・教育実習 指導や懇親の場での執拗な食事・デートへの誘い、性的な関係を求める言動。 受入部署の担当者にも方針を周知し、学生が相談できる窓口と連絡先を最初に伝える。
OB・OG訪問、SNS・メールでの連絡 私的なアカウントでの個別連絡、一対一での飲食の誘いなど、会社の管理外で起きるやりとり。 社員が個人の判断で応募者と接触する際のルールを定め、やりとりの経路を会社が把握できる形にする。

協会としての見解:採用の現場ほど「言いにくさ」が深い

私たち一般社団法人クレア人財育英協会は、ハラスメントのない健全な職場環境づくりを推進する立場として、今回の改正が、これまで法の保護が及びにくかった求職者を明確に対象に加えた点を重要な前進と受け止めています。就職や転職の場面では、応募者と企業の間に「選ぶ側」と「選ばれる側」という力関係が存在します。その関係のなかで受けた言動に対し、声を上げることの難しさは、社内の相談以上に大きいと言わざるを得ません。

同時に、この義務化は現場の社員を責めるための仕組みではありません。OB・OG訪問やインターンの受入れに関わる社員の多くは、善意で学生に向き合っています。何が問題になり得るのかを会社が示さないまま、個々の判断に委ねている状態こそが、応募者にとっても社員にとってもリスクになります。10月1日以降は、「知らなかった」「個人のやりとりだった」という説明では、組織としての責任を果たしたことになりません。方針、窓口、手順を会社の言葉で示すことが、応募者と社員の双方を守ることにつながります。

雇用クリーンプランナー(KCP)の視点:10月1日に向けて採用部門が整える3つの要点

施行日を前に、採用に関わる部門が優先して着手すべきポイントは以下の通りです。

  1. 採用活動を対象に含めた方針の明確化と周知:
    就活セクハラを許さない方針を明文化し、人事部門だけでなく、面接担当者、インターン受入部署、OB・OG訪問に応じる社員まで届ける形で周知します。対象となり得る言動と場面を具体例で示すことが、現場の迷いを減らします。
  2. 応募者が使える相談窓口と、社員側の連絡ルール:
    求職者が相談できる窓口と連絡先を、選考やインターンの案内時点で伝えます。あわせて、社員が個人のSNSなどで応募者と個別に連絡を取る場合の考え方を定め、会社が経緯を把握できる状態にしておきます。
  3. 申出を受けた後の事実確認と配慮、再発防止の手順化:
    申出があった際に、誰が聞き取り、どう記録し、応募者の選考上の不利益をどう防ぐのかを事前に決めておきます。行為者への対応と再発防止までを一続きの手順にし、KCPなど外部の専門家と連携できる体制を持つことで、判断の客観性を保てます。

結語:採用の場は、その会社の姿がもっとも早く伝わる場所

応募者は、選考の過程で企業の姿勢を見ています。面接やインターンでの一つの言動が、その会社で働く人がどのように扱われているかを推し量る材料になり、採用力そのものを左右します。就活セクハラへの対応は、法令を満たすための手続きにとどまらず、自社が人をどう迎えるかという意思表示でもあります。

10月1日の施行はすぐ目の前です。カスタマーハラスメント対策の義務化と同じ日に始まるこの改正を、採用の現場を含めた体制を見直す機会として活かし、応募者も社員も安心して向き合える職場環境を、社会全体で築いてまいりましょう。

採用の場から守る、就活セクハラを起こさない体制づくりのために

就活セクハラは、応募者が立場の弱さから声を上げにくく、社内の目も届きにくいため、被害が潜在化したまま企業の信用と採用力を損なう重大なリスクです。一般社団法人クレア人財育英協会では、ハラスメント撲滅のための啓蒙活動の一環として、採用活動を対象に含めた防止方針の策定、求職者向け相談窓口の設計、申出を受けた後の事実確認と再発防止の体制構築をサポートする専門家「雇用クリーンプランナー(KCP)」の育成と認定を行っています。

「10月1日の義務化に向けて、面接やインターンの運用ルールを整えたい」「応募者が安心して相談できる窓口と対応手順をつくりたい」とお考えの企業様は、ぜひ当協会の資格認定プログラムをご活用ください。

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