2026.09.29

2026年10月のカスハラ対策義務化へ。最新実態調査が示す「相談窓口の未整備」と組織的課題|一般社団法人クレア人財育英協会

株式会社KiteRaが20歳以上のビジネスパーソン965名を対象に実施した調査では、直近1年間に勤務先でカスハラを受けた経験がある人は19.8%でした。その経験者191名のうち、74.9%が会社への相談・報告をためらったと回答しています。2026年10月1日の対策義務化を前に、相談窓口の周知や判断基準、対応体制を整え、従業員が安心して相談できる運用につなげることが課題です。

  • 経験者の74.9%が会社への相談・報告をためらい、その理由では取引先との関係悪化への心配が38.5%でした。
  • 全回答者の68.3%が相談窓口を「周知していない」と回答し、59.6%が判断基準を「設けていない」と回答しました。
  • 調査はインターネットによるアンケートで、対策状況は回答者が認識する勤務先の状況です。

調査が示した相談・報告のハードル

株式会社KiteRaが2026年9月10日から11日にかけて行った「カスタマーハラスメントに関する実態調査」では、20歳以上のビジネスパーソン965名に、直近1年間の経験や勤務先の対策状況を尋ねました。直近1年間に勤務先でカスハラを受けたと答えた人は19.8%。この経験者191名に尋ねたところ、74.9%が会社への相談・報告をためらった経験があると回答しました。

相談をためらった理由(複数回答)では、「取引先との関係悪化が心配だった」が38.5%、「大事にしたくなかった」が35.0%、「売上や契約への影響が心配だった」が30.8%でした。相談することで生じるかもしれない影響を、従業員が気にかけている状況がうかがえます。

相談窓口、判断基準、対応体制の課題

勤務先の対策については、相談窓口を従業員に「周知していない」とした回答が68.3%、「正当なクレーム」と「カスハラ」を判断する基準を「設けていない」とした回答が59.6%でした。また、方針の明確化・周知が整備されていないとの回答は61.3%、社内規程・ガイドラインへの明文化・周知は60.9%、対応マニュアル・手順書の作成・周知は63.4%でした。

調査項目 回答結果 回答対象
直近1年間に勤務先でカスハラを経験 19.8% 全回答者 965名
会社への相談・報告をためらった経験 74.9% 経験者 191名
相談窓口を従業員に周知していない 68.3% 全回答者 965名
正当なクレームとの判断基準を設けていない 59.6% 全回答者 965名
発生時に対応する部門・組織はない 49.6% 全回答者 965名

教育・研修について「ない」と回答した割合は、全従業員向け75.9%、顧客対応部門向け81.1%、管理職向け77.2%でした。これらは調査参加者による勤務先についての回答であり、すべての企業の状況を示すものではありません。調査はインターネットによるアンケートで、構成比は小数点第2位を四捨五入しています。

2026年10月1日から事業主に対策が義務化

改正労働施策総合推進法に基づくカスタマーハラスメント対策は、2026年10月1日に施行されます。事業主には、カスハラに毅然と対応し労働者を保護する方針の明確化と周知、相談体制の整備、発生後の迅速かつ適切な対応などが求められます。

対策では、顧客等から寄せられる苦情や意見のすべてをカスハラと扱うのではなく、正当な意見・要望と区別して対応することも大切です。相談先や対応の流れを従業員に伝え、相談を受けた後の事実確認や必要な配慮、再発防止につなげられる運用を整える必要があります。

職場で確認したい体制整備のポイント

方針や判断基準を明確にし、相談窓口と対応手順を従業員に周知します。相談を受けた際の事実確認、相談者への配慮、再発防止まで、誰がどのように対応するかを定め、従業員が一人で抱え込まない仕組みとして運用することが重要です。

調査概要

調査名:カスタマーハラスメント(カスハラ)に関する実態調査
調査方法:インターネットによるアンケート調査
調査期間:2026年9月10日〜9月11日
回答者:Q1、Q5〜Q10は20歳以上のビジネスパーソン965名。Q2〜Q4は直近1年間に勤務先でカスハラを受けたと回答した191名。
調査企画:株式会社KiteRa
※ビジネスパーソンは正社員、契約社員、派遣社員、会社経営者・役員として勤務する人を指します。

ハラスメントのない健全な職場環境をつくるために

カスタマーハラスメントは、現場の担当者に精神的な苦痛を与えるだけでなく、組織に甚大な経済的損失と業務妨害をもたらします。一般社団法人クレア人財育英協会では、ハラスメント撲滅のための啓蒙活動の一環として、法的措置を含めた客観的な対応基準の策定や、外部機関と連携して従業員を守り抜く組織体制の構築をサポートする専門家「雇用クリーンプランナー(KCP)」の育成と認定を行っています。

「義務化に向けて、悪質なクレーム対応を打ち切る実効性のあるガイドラインを整備したい」「現場の負担を軽減し、外部専門家と連携した防衛体制を導入したい」とお考えの組織・企業様は、ぜひ当協会の資格認定プログラムをご活用ください。

【雇用クリーンプランナー資格取得について】詳細のお申し込みはこちら

お申し込みはこちら