2026.08.24
【社労士解説】2026年10月開始「社会保険料負担支援制度」でパートの働き控えを防ぐ!手取り減少をカバーする新制度の仕組みと導入の壁|一般社団法人クレア人財育英協会
一般社団法人クレア人財育英協会は、2026年(令和8年)10月1日より開始される「社会保険料負担支援制度」について、深刻なパートタイマーの働き控えや離職を防ぐ画期的な仕組みと、企業が制度を利用するために越えなければならない実務上のハードルを解説する最新動画を公開いたしました。「社会保険に入ると手取りが減るから働けない」という悩みを解消するための最新情報を、当協会の特定社会保険労務士・小野純が徹底解説します。
1. パートの手取り減少をカバーする「社会保険料負担支援制度」とは
社会保険の適用拡大に伴い、「保険料が引かれて手取りが減るから労働時間をセーブする」という働き控えが企業の大きな課題となっています。これを解決するため、2026年10月より画期的な新制度が開始されます。これは、対象となるパートタイマー(週20時間以上かつ月収13万円未満等)の社会保険料について、本来労使折半である負担割合を変更し、会社が一時的に多く負担することで、従業員の手取り減少を防ぐ制度です。なお、会社が追加で負担した分は、一定期間経過後に納付保険料から減額(還元)される仕組みとなっています。
2. 制度利用に立ちはだかる「任意特定適用」の壁
この制度を利用するためには、2026年10月1日以降に労使合意により任意で社会保険の加入対象とする「任意特定適用事業所」になる必要があります(または2027年10月以降に順次適用拡大の対象となる事業所)。任意特定適用事業所になるためには、以下の手続きが必須となります。
- ① 対象者の2分の1以上の同意取得:加入対象となるパートタイマーの過半数から、加入に対する同意を得る必要があります。
- ② 必要書類の提出:「任意特定適用事業所申出書」「2分の1同意の証明書類」「被保険者資格取得届」を準備し、年金事務所等へ提出します。
- ③ 申出書の提出:対象事業所となった日から2年以内に、「保険料調整開始申出書」を管轄事務センター等へ提出します。
3. 制度期間と負担割合に関するよくある疑問と回答
Q. この制度による社会保険料の軽減は、ずっと続くのですか?
A. いいえ。会社が制度を利用開始してから「3年間」という有効期間が定められています。
また、その3年間の中でも、利用開始1〜2年目と3年目では、従業員と会社の負担割合が変化します。例えば標準報酬月額88,000円の場合、1〜2年目は「従業員25:会社75」ですが、3年目は「従業員37.5:会社62.5」と段階的に移行します。制度開始までに情報収集を行い、従業員への丁寧な説明準備を進めることが優秀な人材確保の鍵となります。
