2026.07.30

【社労士解説】知らなきゃ損する役員賞与の盲点。社会保険料の上限額(厚生年金150万・健康保険573万)を意識した賢い資金計画

一般社団法人クレア人財育英協会は、企業の経営層や役員、人事労務担当者向けに、会社の財務負担に直結する賞与の社会保険料の「上限ルール」と、それを活用した合法かつ合理的な資金計画のポイントを解説する最新動画を公開いたしました。「賞与の金額が上がると社会保険料も青天井で上がってしまう」という思い込みに対し、一定額を超えた支給分には保険料がかからない法律上の仕組みと、役員賞与を最適に設計する手法について、当協会の特定社会保険労務士・小野純が徹底解説します。

▼ 本件に関する公式プレスリリースはこちらからご覧いただけます

プレスリリース(PR TIMES)で詳細を確認する

1. 賞与にかかる社会保険料の「2つの上限額」

毎月の給与(標準報酬月額)に上限があるように、賞与(標準賞与額)から徴収される社会保険料(会社負担分・本人負担分)にも、以下のように明確な上限額が法律で定められています。

  • 厚生年金保険:1ヶ月の間の賞与につき「150万円」が上限。(同一月に複数回支給された場合は合算。150万円を超える部分には厚生年金保険料がかかりません。)
  • 健康保険:年間(毎年4月1日~翌年3月31日)の累計賞与額「573万円」が上限。(年度内の支給合計額が573万円を超えた場合、超えた部分の健康保険料・介護保険料はかかりません。)

つまり、たとえば役員賞与として一度に300万円を支給した場合、厚生年金は上限である150万円分までしか保険料の対象にならないため、高額な賞与を支給する役員や高額所得者ほど、相対的に保険料の負担比率が下がる仕組みになっています。

2. 支給回数の見直しによる「保険料減額」のシミュレーション

この上限ルールを正しく理解しておくことで、賞与の支給方法を見直し、会社と個人双方の社会保険料負担を合法的に適正化することができます。

【年2回支給から年1回集約への変更例】

  • ■ パターンA(年2回に分けて支給する場合)
    夏の賞与:100万円(厚生年金の対象:100万円)
    冬の賞与:100万円(厚生年金の対象:100万円)
    ⇒ 年間の厚生年金対象額は、合計200万円となります。
  • ■ パターンB(年1回に集約して支給する場合)
    年1回の賞与:200万円(厚生年金の対象:上限の150万円
    ⇒ 支給する総額(200万円)は同じでも、厚生年金の上限ルールが適用されるため、50万円分の賞与に対する保険料が免除され、理論上大きな減額効果が生まれます。

3. 役員賞与のコントロールと「賢い経営」の鉄則

一般社員の賞与は就業規則や業績連動によって決定されますが、役員や共同経営者(事業主)の場合、自らの賞与や役員報酬の金額・支給時期をある程度自由にコントロールすることが可能です。だからこそ、税務上の「事前確定届出給与」のルールを適切にクリアしつつ、社会保険料の上限(150万・573万)を意識して全体のバランスを設計することが「賢い財務戦略」の第一歩となります。

ただし、単なる節税や社会保険料逃れのみを目的に、毎月の役員報酬を不自然に極端に低くして賞与へ過度に偏重させるような設計は、年金事務所や税務署から「租税回避行為」や「報酬の不当表示」とみなされ、是正指導や否認を受けるリスクがあります。会社の経営計画や業績、役員の職務実態に照らし合わせ、客観的に合理性のある範囲内で設計することが大前提です。

4. 賞与の社会保険料に関するよくある疑問と回答

経営者様や役員層から多く寄せられる、賞与設計に関する重要ポイントをQ&A形式で整理しました。

Q. 厚生年金の上限「150万円」を超えた支給分は、将来受け取る年金額に影響しますか?

A. はい。上限を超えて保険料を支払わなかった分は、将来の老齢厚生年金の受給額の計算対象(報酬比例部分)には反映されません。
「保険料がかからない=お得」という一面だけでなく、将来受け取る年金額の原資となる累積報酬(標準賞与額)のカウントも150万円でストップします。法人としてのコストカットだけでなく、役員個人の将来設計(資産形成)とのバランスを考慮して決定する必要があります。

Q. 一般社員の賞与にも同様の上限ルールを適用して、コストを抑えることは可能ですか?

A. 法律上は全従業員共通のルールですが、一般社員への適用(年1回集約など)は慎重に行う必要があります。
一般社員の賞与を年1回に変えることは、就業規則(賃金規程)の変更手続きが必要であり、従業員にとっては「評価期間が長くなる」「生活設計が難しくなる」といった不利益変更のリスクを伴います。安易なコストカット目的での実施は、従業員のモチベーション低下や離職を招くため推奨されません。

5. 報道関係者・メディア様向け個別取材・質問会のご案内

一般社団法人クレア人財育英協会では、役員賞与・役員報酬の適正な設計実務をはじめ、最新の労働法コンプライアンスや企業のコスト最適化に関するメディア関係者様からの取材・企画協力を随時承っております。

  • 内容:報道関係者・メディア・企業向け(個別取材・情報提供・コメント寄稿・報酬賞与設計のシミュレーション提示)
  • 日時:随時対応(オンライン対応・電話取材可。貴社のスケジュールに合わせ柔軟に調整いたします)
  • 費用:無料
  • 備考:専門家(特定社労士)としての客観的なデータ提供や、年金事務所の調査で指摘されやすい役員報酬の落とし穴の解説が可能です。

6. 一般社団法人クレア人財育英協会の視点(当協会の役割)

賞与の社会保険料の上限額を知ることは、単なる節税テクニックではなく、企業のキャッシュフローを守るための「正当な財務戦略」です。しかし、行き過ぎた報酬操作やコンプライアンスを逸脱した規程作成は、税務・労務の両面で大きなペナルティを背負うことになります。当協会が育成する『雇用クリーンプランナー』は、こうした社会保険制度の深い実務知識を兼ね備え、企業が適法かつ最適に資金計画や報酬設計を行えるようサポートする専門人材です。有資格者が中心となって就業規則や賃金規程の整備、役員賞与の相談に協力することで、企業は法的リスクを100%回避しながら、経営資源の最適化(賢い経営)を実現することができます。


一般社団法人クレア人財育英協会 公式サイトはこちら

お申し込みはこちら