2026.07.28
【社労士解説】応募者増を狙った「リモート可」が命取りに。求人票の“虚偽表示”で行政指導や求人停止に追い込まれる3つのNG記載例|一般社団法人クレア人財育英協会
一般社団法人クレア人財育英協会は、深刻な人手不足に悩む企業の経営層・人事担当者向けに、求人票に安易に「リモート可」と記載することで発生する労使トラブルと、職業安定法違反(虚偽表示)による致命的なリスクを解説する最新動画を公開いたしました。「リモート可と書けば応募が増えるから」という安易な動機が、入社後の即時退職や行政による求人停止処分といった企業の致命傷に繋がる実態について、当協会の特定社会保険労務士・小野純が徹底解説します。
1. 求人票は「広告」。魔法の言葉に潜む職業安定法の罠
近年、求職者の間でテレワークへの関心が高まっており、求人票に「リモート可」という言葉を入れるだけで応募数が劇的に増加する傾向があります。しかし、求人票は法律上、労働条件を提示する「広告」に該当します。そのため、応募を集める目的で実際の勤務実態よりも良い条件のように見せかけることは、職業安定法第65条が禁じる「虚偽の条件提示(いわゆる釣り求人・おとり求人)」に該当する極めて危険な行為です。
2. 「虚偽表示」とみなされる3つのNGな記載ケース
「リモートができることには違いないから嘘ではない」と会社側が思っていても、求職者に誤解を与えるような以下の記載方法は、明確なトラブルの火種(アウト)となります。
- ① 頻度の実態を隠すケース:実際は「月に数回」や「週に1回」しかリモートワークが許可されていないにもかかわらず、単に「リモート可」「テレワーク導入」とだけ大きく記載し、フルリモートができるかのように誤認させる書き方。
- ② 条件や期間を隠すケース:「入社後半年間(試用期間中)は業務習得のため出社必須」という重要な条件があるのに、求人票の段階でその説明を一切記載していない書き方。
- ③ 対象外の職種があるのに一律に記載するケース:現場作業員や新入社員など、一部の職種や階層は対象外であるにもかかわらず、会社全体の求人アピールとして「全社員リモート可」と誤解されるような書き方。
3. 虚偽表示がもたらす「求人停止」という致命傷
このような曖昧な求人票で採用を行っても、入社後に「話が違う!」とクレームになり、早期離職に直結します。さらに恐ろしいのは、退職した求職者がハローワークや労働局へ「虚偽の求人で騙された」と通報した場合のペナルティです。
- ・行政指導とブラック企業認定:労働局からの行政指導が入り、悪質な場合は企業名が公表されるリスクがあります。
- ・求人の受理拒否(求人停止):ハローワークや民間職業紹介事業者から「過去に虚偽表示を行った企業」として求人の掲載を断られるようになり、今後の採用活動自体が事実上不可能になります。
4. トラブルを防ぐ正しい求人票の書き方とQ&A
企業の人事担当者様から多く寄せられる、採用広告における重要ポイントをQ&A形式で整理しました。
Q. 「リモート可」と書く場合、具体的にどのように記載すれば安全ですか?
A. 実態に基づいた「頻度」「条件」「対象者」を必ずセットで明記してください。
例)「リモートワーク制度あり(週2回目安・入社半年後の試用期間明けから適用・対象は〇〇部門のみ)」といったように、求職者が過度な期待を抱かないよう、利用の制限や実態をセットで記載することが、虚偽表示を避ける最大の防衛策です。
Q. 面接のときに口頭で「リモートは週1回だけです」と伝えれば問題ありませんか?
A. 口頭で伝えるだけでは不十分であり、求人票との相違を指摘されるリスクが残ります。
求人票(広告)を見て応募してきた事実がある以上、「入り口で騙された」という不信感を与えてしまいます。もし求人掲載後に条件が変わった場合は、面接時だけでなく、最終的な労働条件通知書(または内定通知書)を交付する際に、変更点について書面で明示して同意を得る法的な義務があります。
5. 報道関係者・メディア様向け個別取材・質問会のご案内
一般社団法人クレア人財育英協会では、採用時の労使トラブル(求人票の虚偽表示など)をはじめ、最新の労働法コンプライアンスに関するメディア関係者様からの取材・企画協力を随時承っております。
- ・内容:報道関係者・メディア・企業向け(個別取材・情報提供・コメント寄稿・求人票の文言添削事例の提示)
- ・日時:随時対応(オンライン対応・電話取材可。貴社のスケジュールに合わせ柔軟に調整いたします)
- ・費用:無料
- ・備考:専門家(特定社労士)としての客観的なデータ提供や、現代の求職者が重視する適法な採用ブランディングの解説が可能です。
6. 一般社団法人クレア人財育英協会の視点(当協会の役割)
「リモート可」は、応募を集めるための魔法の言葉ではありません。法的な責任を伴う「契約条件(広告)」の一部です。採用難に焦るあまり、実態と異なる「おとり求人」を出してしまうと、入社後の早期離職(採用コストの無駄)だけでなく、行政指導や求人停止処分といった企業の存続に関わる致命傷を負うことになります。当協会が育成する『雇用クリーンプランナー』は、こうした採用から退職に至るまでの労働法の落とし穴を熟知した専門人材です。有資格者を組織に配置し、求人票の文言チェックや採用実務を適切に管理することで、企業は法的リスクを回避し、入社後のミスマッチのないクリーンで誠実な採用活動を実現することができます。
