2026.06.03
三重・菰野町議会のパワハラ疑惑にみる、加害者の「無自覚」とアンケート調査後の実効性あるガバナンス|一般社団法人クレア人財育英協会
この記事の結論:ハラスメント調査(アンケート)において、指摘を受けた権力者やエース社員は必ず「納得いかない」「一方的だ」と反発します。この「加害者の無自覚さ」を前提とし、アンケートをやりっぱなしにせず、客観的かつ中立な調査・処分プロセスへ繋げることが組織の危機管理の要です。
- 三重県菰野町の職員アンケートで、複数議員による大声での怒鳴りや脅しなどのパワハラ疑惑が発覚
- 「納得いかない」「聞いてない」と憤慨する加害者側の特有の心理と認識の歪み
- アンケート結果を握りつぶさないためのKCP(雇用クリーンプランナー)の実務的アプローチ
三重・菰野町で複数議員による職員へのパワハラ疑惑が発覚
三重県菰野町において、複数の議員が町職員らに対して繰り返し大声で怒鳴るなどのパワーハラスメント行為を行っていた疑いがあることが明らかになりました。
事の発端は、昨年4月に同町でハラスメント防止に関する条例が施行されたことを受け、職員向けに実施されたアンケートです。この中で、不適切なあだ名で呼ばれたり、「覚悟しとけよ」と脅しのような発言を受けたといった回答が寄せられました。
さらに、議員の対応に恐怖を感じて深刻な体調不良に陥ったという悲痛な訴えもあり、議員と職員という強固な権力勾配(パワーバランス)の中で、悪質な人権侵害が常態化していた可能性が浮き彫りになっています。
問題の核心:加害者の「納得がいかない」「憤慨している」という無自覚さ
今回のニュースで、企業の人事・経営層が最も注目すべきは、指摘を受けた議員側の反応です。ある議員は「反省すべき点は反省するが、納得のいかない点もある」とし、別の議員は「議員への聞き取りもなく文書が出されたことに憤慨している」と反発しています。
この「納得がいかない」「自分にも言い分がある」という反応は、企業内のハラスメント事案でも加害者が必ず口にする典型的な言葉です。権力を持つ側は、大声での怒鳴りや脅しを「熱心な指導」や「正当な要求」だと本気で錯覚しており、自らの言動が相手をどれほど追い詰めているかに極めて『無自覚』なのです。
加害者の無自覚な反発を恐れて調査を止めたり、アンケート結果をうやむやにしたりすれば、声を上げた被害者は深い絶望を感じ、組織の自浄能力は完全に失われます。
企業への警鐘:アンケート実施後の「客観的調査」の重要性
アンケート調査は、あくまで「問題の端緒(きっかけ)」を掴むための第一歩に過ぎません。アンケートで被害の訴えがあった後、どのように事実確認を進めるかが組織の真価を問われる場面です。
「聞き取りがない」と加害者が憤慨する隙を与えないためには、アンケート結果に基づき、被害者、第三者(目撃者)、そして加害者の順に中立的かつ迅速なヒアリング(調査)を実施する明確なプロセスが必要です。
町長から議長へ注意喚起の文書を出して終わり、とするのではなく、事実を確定させ、ペナルティを科すまでの道筋をつけなければ、ハラスメントの根本的な解決には至りません。
雇用クリーンプランナー(KCP)の視点:ハラスメント調査を形骸化させない3つのプロセス
社内アンケート等でハラスメントの訴えが発覚した際、加害者の反発を抑え込み、組織を適正に自浄するために人事・経営層が講じるべき次の一手は以下の3つです。
- アンケート実施と「事後調査プロセス」のセット運用:
アンケートを実施する前に、「深刻な回答があった場合は、外部専門家を交えた調査委員会を設置し、加害者への聞き取りを含めた事実確認を行う」という手順をあらかじめルール化しておきます。 - 加害者の「言い分(正当化)」を論破する客観的証拠の収集:
加害者は必ず「そんなつもりはなかった」と反論します。ヒアリングの前に、目撃者の証言、メールの履歴、録音データなどの客観的な証拠を固め、加害者が言い逃れできない外堀を埋めることが重要です。 - 「被害者の保護」を最優先にした暫定的な引き離し措置:
調査中、加害者が被害者を特定して報復・口止めを行うリスクがあります。「聞き取りがない」と憤る加害者へのヒアリングは最後に行い、その間は加害者を被害者の業務から完全に引き離す措置(自宅待機や配置転換)を講じます。
結語:権力を持つ者ほど、自らの言動の破壊力を知るべきである
議員や企業のトップ、管理職など、優越的な地位にある人間は、自らが発する言葉一つが、相手のキャリアや心身の健康を容易に破壊できるという事実を謙虚に受け止めなければなりません。
「納得がいかない」と自己の正当性を主張する前に、なぜ相手が深刻な体調不良に陥るまで恐怖を感じたのかを省みることが求められます。組織のトップは、一部の権力者の暴走を許さず、毅然と事実を解明し、厳正に対処する姿勢を示し続ける必要があります。
ハラスメントのない健全な職場環境をつくるために
組織内の権力者やエース社員によるハラスメントは、本人の無自覚さと反発によって解決が難航しがちです。一般社団法人クレア人財育英協会では、ハラスメントの未然防止と、アンケート後の客観的な事実調査・ヒアリングをサポートする専門家である「雇用クリーンプランナー(KCP)」の育成と認定を行っています。
「社内アンケートをどう実効性のある調査に繋げるか」「加害者の反発にどう対応するか」とお考えの企業様は、ぜひ当協会の資格認定プログラムをご活用ください。
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