2026.05.26
求職者・実習生を守る「就活セクハラ対策」。社会福祉法人の先進事例と10月法改正への備え|一般社団法人クレア人財育英協会
この記事の結論:令和8年10月の法改正により、求職者やインターン等へのセクハラ防止対策が一段と強化されます。社会福祉法人きらくえんの取り組みをモデルケースに、選考・実習現場で「まだ従業員ではない人」をハラスメントから守る実務的な仕組みを解説します。
- 社会福祉法人きらくえんが、就職活動生や実習生向けのハラスメント防止方針を明文化
- 2026年10月施行の改正男女雇用機会均等法を見据えた先駆的な対応
- 「選考のブラックボックス化」を防ぐためのKCP(雇用クリーンプランナー)の実務的アプローチ
社会福祉法人きらくえんが「求職者・実習生向け」のハラスメント防止方針を公表
社会福祉法人きらくえんは、就職活動や実習・インターンシップに関わるすべての人が安心して参加できる環境づくりを目的に、ハラスメント防止方針と具体的な運用ルールを公表しました。
この取り組みで極めて重要なのは、まだ自社の従業員ではない「求職者、実習生、インターンシップ生」を対象として明記し、彼らに対するハラスメント行為を一切認めない姿勢を毅然と打ち出した点です。
新卒・中途採用それぞれの選考ルールを整備したほか、内部相談窓口だけでなく、社会保険労務士法人を外部相談窓口として設置し、相談者のプライバシーと不利益取扱いの禁止を徹底する体制を整えています。
背景にある法改正:2026年10月施行「求職者・インターン等へのセクハラ防止」の強化
きらくえんがこのタイミングで方針を強化した背景には、今年(2026年)10月に施行される男女雇用機会均等法の改正があります。
従来の法律でも企業に対してハラスメント防止対策(相談窓口の設置など)が義務付けられていましたが、今回の法改正により、その対象が「求職者、実習生、インターン等」へも明確に拡大され、企業側の義務と責任がより一層強化されます。
ハラスメント対策を「身内の従業員向けの福利厚生・リスク管理」にとどめていた企業は、今すぐ採用活動や受け入れ体制全般のガバナンスをアップデートしなければ、法改正後のリーガルリスク(法令違反)に直面することになります。
選考・実習現場に潜む「無自覚なハラスメント」とルールの必要性
採用面接や実習指導の現場では、選考する側(指導する側)と受ける側の間に、非常に強い「立場の非対称性」が生じます。そのため、悪意のない雑談のつもりであっても、ハラスメントに発展しやすい傾向があります。
きらくえんのルールにある「OB・OG訪問等の面談で、場所や日時、連絡手段を明確にする」「私的な場での面会を禁止する」「SNS等を通じた連絡は業務上必要な範囲に限定する」といった項目は、まさに選考のブラックボックス化を防ぐための防衛線です。
「個人的な関係を求める言動」や「不適切な冗談」を個人のモラル頼みで禁止するのではなく、行動の『ルール』として仕組み化することが、無自覚なハラスメントを未然に防ぐ唯一の方法です。
雇用クリーンプランナー(KCP)の視点:求職者保護の体制を構築する3つのポイント
10月の法改正を見据え、企業の人事・経営層が急ぎ自社に落とし込むべき実務的なステップは以下の3つです。
- 採用・実習関係者に対する「行動規範」の策定と周知:
面接官や実習指導員に対し、「聞いてはいけない質問(家族構成や結婚の予定など)」や「連絡の際の禁止事項(個人のSNSアカウントの利用禁止など)」を明確に記述したガイドラインを共有します。 - 「相談窓口」の存在を採用広報・実習要項に明記する:
窓口を社内に作るだけでなく、求職者や実習生が「自分たちも使って良い窓口である」と認識できるよう、求人票やインターンシップの案内、選考前の連絡メール等で事前に周知します。 - 第三者性を担保した「外部相談窓口」の活用:
求職者にとって、これから選考を受ける企業の「社内窓口」に相談するのは極めて心理的ハードルが高いものです。きらくえんのように、弁護士や社会保険労務士などの外部窓口を設けることが、実効性を高める鍵となります。
結語:求職者や実習生を守る姿勢が、深刻な採用難を勝ち抜く鍵となる
「まだうちの会社の社員ではないから」という理由で、求職者や実習生へのハラスメント対策を後回しにすることは、今の時代、致命的な採用リスクとなります。SNSが普及した現代では、面接での不適切な言動や実習中のはハラスメント被害は、瞬時に社会に拡散され、企業のブランド価値を壊します。
逆に、きらくえんのように選考段階から「あなたの尊厳を守ります」という姿勢を仕組みとして明文化している組織は、求職者やその保護者、また大学等の教育機関からも強い信頼を獲得できるでしょう。
10月の義務化を単なる手続きの追加と捉えず、「選ばれるクリーンな組織」へ脱皮するための重要な人財戦略として位置づけるべきです。
ハラスメントのない健全な職場環境をつくるために
組織のトップや管理職の無自覚なハラスメントや、外部からのカスハラ被害、そして採用現場におけるトラブルは、企業にとって致命的なリスクとなります。一般社団法人クレア人財育英協会では、ハラスメントの未然防止と適切な事後対応の専門家である「雇用クリーンプランナー(KCP)」の育成と認定を行っています。
「自社のガバナンス体制を見直したい」「10月の法改正に向けた対策を急ぎたい」とお考えの企業様は、ぜひ当協会の資格認定プログラムをご活用ください。
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