2025.12.23
退職代行はどこから違法になるのか。弁護士法72条(非弁行為)で分かれる「意思伝達」と「交渉」の境界線|一般社団法人クレア人財育英協会
【出典】【退職代行のグレー】「退職を伝えるだけ」のはずが、どうして違法になるのか?
退職代行はなぜ違法になる可能性があるのか
2025年10月、大手退職代行業者が弁護士法違反の疑いで家宅捜索を受けました。
退職代行は「退職の意思を伝えるだけ」と思われがちですが、
一定の行為に踏み込むと違法となる可能性があります。
鍵は、弁護士法72条にあります。
弁護士法72条とは何か
弁護士法72条は、弁護士でない者が報酬を得る目的で「法律事務」を行うことを禁じています。
ここでいう「法律事務」とは、
・権利義務に関する交渉
・法律判断を伴う代理行為
を指します。
「意思伝達」と「交渉」は何が違うのか
退職の意思を単に伝達する行為は、
法律判断を伴わない限り直ちに違法とはなりません。
しかし、
・未払い残業代の請求
・有給休暇の消化交渉
・退職日の調整
・損害賠償の有無の協議
など、権利義務に関わる交渉に踏み込むと、
「法律事務」に該当する可能性があります。
この境界がグレーゾーンです。
弁護士・労働組合・民間業者の違い
弁護士は法律事務を行えます。
労働組合(ユニオン)は、労働組合法に基づく団体交渉権があります。
一方、民間の退職代行業者は、原則として交渉権限を持ちません。
この法的位置づけの違いが、合法性を分けます。
企業はどう対応すべきか
民間業者から残業代や有給消化の請求が届いた場合、
その業者が法律上の代理権を持つか確認する必要があります。
・本人確認
・委任状の有無
・弁護士か否か
を確認せずに交渉に応じることは、後の紛争リスクになります。
「本人と連絡できない」と言われた場合
民間業者が「本人とは直接連絡できない」と主張する場合でも、
法的代理権がない限り、企業が直接連絡を拒まれる義務はありません。
感情的対立ではなく、法的整理が必要です。
退職代行を使われやすい職場の特徴
退職代行の利用は、
・退職を言い出しにくい風土
・退職時トラブルの常態化
・有給取得を巡る対立
といった職場環境の反映でもあります。
法的整理と同時に、組織文化の点検も必要です。
企業が整えておくべき3つの備え
① 退職手続きの明文化
② 有給取得ルールの透明化
③ 未払い残業代の有無の点検
制度が整っていれば、代行業者に付け入る余地は小さくなります。
セミナー開催概要
日時:2025年12月25日 12:00〜13:00
主催:一般社団法人クレア人財育英協会
場所:千代田区紀尾井町3-12 紀尾井町本社ビル6F
備考:報道関係者・メディア向けの取材・情報提供目的のセミナーです。
一般社団法人クレア人財育英協会の視点
退職代行問題の本質は、「代行業者がいること」ではありません。
法的境界線を理解せずに運用していることです。
意思伝達は自由です。
しかし交渉は法的資格を要します。
制度の境界を知らないまま対応すると、
企業側もリスクを負います。
一般社団法人クレア人財育英協会は、退職局面の法的整理と実務設計を支援しています。
公式サイト:https://koyo-clean.com/
