2026.03.23

警視庁幹部の「不機嫌ハラスメント」処分。仕事ができても職場を凍らせれば許されない|一般社団法人クレア人財育英協会

【出典】「周りに気をつかわせた」60歳ベテラン幹部が“不機嫌ハラスメント”を認定されて処分…いくら仕事ができても許されない「これが令和の新常識」


警視庁で「不機嫌ハラスメント」認定 警視正が処分されたと報道

週刊文春の記事は、警視庁の警視正が「部下に不機嫌な態度を取り職場環境を悪化させた」との理由で処分されたと報じています。

記事によると、2025年12月に警務部長注意の処分を受けたとされます。いわゆる「不機嫌ハラスメント(フキハラ)」に該当すると認定されたという内容です。


2021年9月から2025年9月まで 複数の部下を萎縮させたとされる

記事では、警視正が2021年9月から2025年9月の間、複数の部下に度々不機嫌な態度で接し、萎縮させるなどしたとされています。

捜査関係者の話として、複数の内部通報を受けて監察部門が2025年から内部調査を進めたと紹介されています。

都内の警察署長を務めていた時代も含め、5年前までさかのぼって数十人からヒアリングを行った結果、「意見を言うとすぐに機嫌が悪くなる」「好き嫌いが激しく周りが気を使っていた」などの証言が多数確認されたと報じられています。


パワハラではないが幹部として不適切 軽微でも意味は軽くない

記事では、最終的に「パワハラにはあたらないものの、幹部として不適切」と判断され、警務部長注意という軽微な処分になったと伝えています。

ここで問われたのは、法的な意味でのパワハラ認定だけではありません。部下が意見を言いにくくなり、周囲が機嫌を読んで動く職場を作った時点で、管理職として失点になるという線引きです。


仕事の成果はあっても、免罪符にはならなかった

記事によると、この警視正はオンラインカジノ問題やスカウトグループの摘発などに精力的に取り組み、さまざまな事件で成果を上げてきた人物とされています。

一方で、「率先して仕事に取り組んでいた」「的確な指示で勉強になった」といった肯定的な声も少なからずあったと報じられています。

それでも処分に至った点が重要です。結果を出しているから多少の癖は許される、という古い評価軸が崩れていることを、この件は示しています。


周囲が注意しても改善しなかった 幹部に必要なのは客観視

記事では、上司や周囲が何度も態度を注意していたのに、一向に改善されなかったとする警視庁幹部のコメントも紹介されています。

また、企業法務に詳しい弁護士の話として、パワハラやセクハラは研修が進んでいる一方、フキハラは昔の感覚のままの人も多く、周囲から自分がどう見られているかを客観視できなければ幹部は務まらない時代だと論じています。

記事によると、この警視正は事実上の定年で2026年3月に警視庁を去ったとされています。


論点 「不機嫌」は感情ではなく、統治の失敗である

不機嫌は、本人から見れば態度です。ですが、部下から見れば命令に近い圧力になります。言葉で命じなくても、空気で黙らせるからです。

特に幹部の不機嫌は、好き嫌い、人事、評価、報告のしやすさまで全部に影を落とします。だから問題は性格ではなく、組織運営そのものです。


雇用クリーンプランナー(KCP)の視点 不機嫌を「癖」で済ませる組織から壊れる

この件の厄介さは、怒鳴り声や露骨な侮辱ではなく、「周りに気を使わせる」こと自体が職場を傷つけていた点です。見えにくいからこそ、放置されやすい。ここも運用で決まります。

次の一手は3つです。
①初動:不機嫌な応答、報告の遮り、露骨な好き嫌いも相談対象に含めます。違和感が出た時点で面談メモを残し、必要に応じて記録・録音も含めて事実を固定し、管理職ラインとは別に即時エスカレーションします。
②通報設計:内部通報や相談窓口を、幹部案件でも使える状態にします。不利益取扱い禁止を明文化し、「明確な暴言がないから動けない」という運用を止めます。
③再発防止:管理職評価に心理的安全性を入れます。成果や事件処理能力だけでなく、部下が報告・連絡・相談しやすい環境を保てているかまで評価し、安全配慮義務を日常運用に落とします。


結語 令和の新常識は「仕事ができる」ではなく「人を凍らせない」だ

仕事ができる人材を失いたくない。その気持ちが、昔は不機嫌や威圧の免罪符になってきました。

ですが、部下が口をつぐみ、周囲が顔色で動く組織は、長期では確実に弱ります。判断軸は単純です。成果を出したかではありません。その人の下で、職場が動いていたかどうかです。

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