2026.03.10

警視庁、フキハラで警視正処分。不機嫌だけで職場は沈黙する|一般社団法人クレア人財育英協会

【出典】フキハラで部下100人超の警視正処分 「萎縮させた」警視庁が認定


警視庁 フキハラ認定 警視正を警務部長注意

職場で不機嫌な態度を取り、部下の勤務環境を悪化させたとして、警視庁が、署長や本部の課長を務めた警視正の男性(60)を警務部長注意とする処分にしたことがわかったと報じられています。

処分は2025年12月付です。言動で部下を萎縮させたとして、いわゆる「不機嫌ハラスメント(フキハラ)」と認定したとされています。


警視正 部下100人超 辞職は処分と別で3月9日付

記事によると、この男性は処分とは関係なく、2026年3月9日付で辞職しました。

辞職前の部署では、部下が100人以上いたとされています。影響が個人間で閉じず、組織全体に及びうる立場だったことが読み取れます。


部下証言 反論すると不機嫌 報告を遮る

警察関係者によると、警視庁や警察庁には「パワハラを受けている人がいる」といった訴えが複数あったとされています。

警視庁が部下らに聞き取ったところ、「反論すると不機嫌になる」「一方的で意見具申できない」「一度嫌われたら終わり」「部下の報告を途中で遮る」「部下の好き嫌いが激しい」などの証言があったと報じられています。


明確な被害申告がなくても 職場の萎縮は認定された

一方で、明確に「自分がパワハラ被害にあった」と話した人はいなかったとされています。

また、「誰よりも仕事をする」「指摘や指示はもっともだった」といった声もあったと報じられています。

それでも警視庁は、良好な職場環境を整える立場にありながら、2021年9月から2025年9月ごろにかけて、部下に対して日常的に不機嫌な態度で接したなどと認定したとされています。ここで問われたのは、明確な暴言の有無だけではなく、空気そのものだったといえます。


警務部長注意とは何か 懲戒ではなく監督上の措置

今回の処分は懲戒処分ではなく、「監督上の措置」に当たり、訓戒に次ぐ処分だとされています。

記事では、警視庁はハラスメントを根絶するため、こうした訴えがあるたびに調査し、事実が確認できれば注意や処分をしているとも伝えています。


雇用クリーンプランナー(KCP)の視点 不機嫌を「性格」で済ませない

この件の厄介さは、怒鳴り声や露骨な侮辱だけではない点です。不機嫌、遮り、好き嫌い、反論しづらさ。こうしたものは記録に残りにくく、しかも受け手が「自分の被害」と言い切れないまま、職場全体を萎縮させます。処分だけでは戻らず、運用で決まります。

次の一手は3つです。
①初動:不機嫌な態度や報告の遮りも相談対象に含めます。相談が出た時点で面談メモを残し、必要に応じて記録・録音も含めて事実を固定し、上位部署へ即時にエスカレーションします。
②通報設計:相談窓口と内部通報を、管理職案件でも使える状態にします。不利益取扱い禁止を明文化し、「明確な被害者が名乗り出ないと動かない」運用を止めます。
③再発防止:管理職評価に心理的安全性を入れます。業績や仕事量だけではなく、部下が意見具申できるか、報告が途中で遮られていないかまで点検し、安全配慮義務を日常運用に落とします。


結語 暴言がなくても、沈黙を強いる上司は組織を壊す

「理屈は合っていた」「仕事はできた」という評価は、萎縮の免罪符にはなりません。部下が反論できず、報告を途中で止められ、一度嫌われたら終わりだと感じるなら、その時点で職場は崩れ始めています。

判断軸は、怒鳴ったかどうかではありません。言葉を発する前に、周囲を黙らせる空気を作っていないか。不機嫌を個人の性格として処理する組織ほど、同じ壊れ方を繰り返します。

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