2026.04.26
富山県の懲戒処分で露出した無断撮影ハラスメント。勤務中の職場で女性職員を傷つけた代償|一般社団法人クレア人財育英協会
【出典】ハラスメントなど5人 富山県職員と教員の懲戒処分発表
富山県と県教委が5人の懲戒処分等を公表 中心にあったのは無断撮影ハラスメントでした
富山県と県教育委員会は、職員と教員あわせて5人への懲戒処分等を公表しました。
このうち最も職場の空気の歪みをはっきり示したのが、県厚生部の課長補佐級職員による無断撮影です。処分の数ではなく、勤務時間中の職場で、複数の女性職員が対象になっていたことが重いです。
課長補佐級の56歳男性を減給処分 勤務時間中に複数の女性職員を無断撮影
県厚生部の課長補佐級の56歳男性は、2024年度から2025年度にかけて、勤務時間中に職場で複数の女性職員をスマートフォンで無断で撮影したとされています。
県は、この行為が精神的な苦痛を与えたとして、先月13日付で減給1カ月の処分としました。勤務中の職場を、安心して働く場ではなく、勝手に切り取られる場に変えたことが問題です。
もう一つの重い処分は、県教委事務局の指導主事への休職でした
記事では、県教育委員会事務局の47歳の指導主事についても、先月17日付で休職処分としたと報じられています。
この指導主事は、去年10月に車で単独事故を起こし、酒気帯び運転の疑いで起訴されたとされています。今回は、ハラスメントだけでなく、公務への信頼を損なう行為が複数重なって表に出た形です。
論点 無断撮影は「軽い出来心」ではなく、職場の境界線を壊す行為です
職場での無断撮影は、加害する側には軽く見えやすいです。写真を撮っただけ、動画を回しただけ、そう言い逃れしやすいからです。
ですが、撮られた側に残るのは、自分の身体や存在が、同意なく対象として扱われた感覚です。しかもそれが勤務時間中の職場で、複数の女性職員に向けられていたなら、個人の不快感では終わりません。職場全体の安全が揺らぎます。
雇用クリーンプランナー(KCP)の視点 「その場の軽さ」で済ませた瞬間に組織は鈍くなります
この件の核心は、スマートフォンで撮ったという手段ではありません。相手の同意なく、その姿を押さえることを許した職場の感覚です。ここも運用で決まります。
次の一手は3つです。
①初動:無断撮影の疑いが出た時点で、端末、日時、場所、対象者、保存状況を確認し、事実を固定します。軽い冗談として流さないことが先です。
②通報設計:上司を通さず相談できる窓口と内部通報を整え、不利益取扱い禁止を明文化します。撮られた側が「言った方が面倒になる」と感じた時点で、被害は埋もれます。
③再発防止:勤務時間中の端末使用、撮影禁止ルール、ハラスメント研修を具体化します。心理的安全性と安全配慮義務は、規程を置くだけでなく、違反が出た時にすぐ止まる運用があるかで決まります。
結語 怒鳴る職場だけでなく、黙って撮る職場も同じように壊れます
職場を壊すのは、大声や露骨な侮辱だけではありません。何を見られているか分からない、いつ撮られるか分からないという不安も、人を静かに追い込みます。
判断軸は単純です。その職場が、働く人を業務の主体として扱っているか、それとも勝手に消費してよい対象として扱っているかです。無断撮影を軽く見た瞬間、組織は静かに信用を失います。
