2026.04.21
FFXIV関係者へのハラスメント動画投稿で和解。スクエニが示した「法的対応で止める」姿勢とは|一般社団法人クレア人財育英協会
【出典】動画共有サイトにおける当社役職員等へのハラスメント行為に対する対応について
スクウェア・エニックスがハラスメント動画投稿者との和解を公表
株式会社スクウェア・エニックスは4月20日、動画共有サイトにおける当社役職員等へのハラスメント行為に対する対応について公表しました。
対象となったのは、当社および『ファイナルファンタジーXIV』関係者の社会的評価を低下させる内容を含む動画を公開していた投稿者です。会社は、この投稿者を特定し、謝罪と解決金の支払い、今後の類似行為の禁止を含む和解に至ったとしています。
発信者情報開示請求で特定 裁判所の申立認容を経て解決へ
今回の対応は、当該動画の投稿者に関する発信者情報開示請求を行い、裁判所により申立てが認められたことを受けて進んだとされています。
その後、当該人物との協議を経て和解に至ったと公表されています。匿名性の高いネット上の行為でも、会社側が法的手段を取り、投稿者を具体的に特定した上で解決に持ち込んだ形です。
動画とアカウントは公開停止 問題は投稿の削除だけでは終わらない
スクウェア・エニックスは、公表時点で当該動画および投稿者のアカウントの公開は既に停止されているとしています。
ただ、本件の重さは削除で終わる話ではありません。関係者の社会的評価を下げる内容を発信し続けたことに対し、会社が謝罪と解決金、再発禁止まで含めて線を引いた点にあります。
会社の姿勢 感想や意見は受け止めるが、人格否定や脅迫は別だと明言
公表文では、お客様からの感想、意見、要望はより良いエンタテインメントを届けるための糧として真摯に受け止めているとしています。
一方で、役職員等に対する人格否定、誹謗中傷、脅迫、加害予告、業務妨害予告などのハラスメント行為は、安全を脅かし、安心して業務に従事できる環境を損なう深刻な問題だと位置づけています。つまり、批判や要望と、働く人の尊厳や安全を壊す行為は同じではないと明確に分けています。
論点 作品への不満と、関係者への攻撃を混同した時点で線を越える
ゲームや運営への不満、批判、改善要望は、サービスを育てる上で自然に生じるものです。スクウェア・エニックス自身も、それを真摯に受け止めると書いています。
ですが、そこで関係者の社会的評価を落とす内容を拡散し、人格否定や誹謗中傷に踏み込んだなら、もうそれはフィードバックではありません。コンテンツをめぐる議論の顔をした、個人への攻撃です。
雇用クリーンプランナー(KCP)の視点 「批判だから仕方ない」で現場を放置しない
この件の核心は、法的に勝てるかどうかだけではありません。働く人に向けられた攻撃を、会社が「人気商売だから」と飲み込ませなかった点です。ここも運用で決まります。
次の一手は3つです。
①初動:関係者への中傷、人格否定、脅迫、業務妨害予告などが出た時点で、投稿内容、日時、アカウント、拡散状況を記録し、法務と現場を即時につなぎます。
②通報設計:役職員等が安心して相談できる内部窓口を整え、不利益取扱い禁止を明文化します。外からの攻撃ほど、現場は「我慢したほうが早い」と思わされやすいからです。
③再発防止:削除対応だけで終わらせず、発信者情報開示請求を含む基準、法的措置の判断線、社内外への周知まで一体で整えます。安心して働ける環境は、理念ではなく、止める手順で守るしかありません。
結語 ユーザーの声を大事にすることと、人を守ることは両立する
企業は、顧客の声を無視してはいけません。ですが、その言葉が関係者を傷つける攻撃に変わった時まで、受け止め続ける義務はありません。
判断軸は単純です。その発信がサービス改善につながる意見なのか、それとも誰かの尊厳や安全を削る行為なのかです。今回の和解は、作品批判を禁じたのではなく、働く人を標的にした攻撃に線を引いたということです。
