2026.03.27

高知県立大学のパワハラで教授を戒告処分。部下の評価を下げるメールが越えた一線|一般社団法人クレア人財育英協会

【出典】部下の評価を意図的に下げようとしたか 高知県立大学でパワハラ発覚、教授を懲戒処分


高知県立大学が教授を戒告処分 健康栄養学部でパワハラ認定

高知県立大学は3月25日、健康栄養学部の教授が同じ学部内の職員に対してパワーハラスメント行為を行ったとして、懲戒処分にしたと発表しました。

処分は戒告です。大学が、学内の評価や指導のあり方に関わる行為を正式にパワハラと位置づけた形です。


部下にあたる教員の評価を下げる意図で、全教員にメール送信

記事によると、この教授は同じ学部内の部下にあたる教員の評価を低下させる意図をもって、その教員を指導する内容のメールを学部内の全教員に送信したとされています。

問題になったのは、指導の有無だけではありません。評価を下げる意図を持ち、それを全体に共有する形で行った点です。個別の指導ではなく、周囲の目を使って立場を落とすやり方だったのかが問われています。


論点 面前で怒鳴らなくても、評価を動かそうとすれば職場は壊れる

パワハラというと、大声で怒鳴る、長時間叱責するといった場面が注目されがちです。ですが、評価を意図的に下げようとする行為も、相手の働く基盤を揺らします。

しかも、それを学部内の全教員に向けて発信するなら、本人だけでなく周囲に「この人は低く見てよい」という空気を流すことになります。言葉の強さではなく、関係をどう動かしたかが問題です。


学長コメント ハラスメントのない大学へ不断の取り組み

この件を受けて、高知県立大学の甲田茂樹学長は、誠に残念で遺憾であり、ハラスメントのない大学に向けて不断の取り組みを行い、防止に向け全力で取り組みたいとコメントしたと報じられています。

ただ、再発防止は表明だけでは足りません。評価や指導に関わる権限を持つ人間が、その権限をどう使ったのかまで検証しないと、同じ形の圧力は別の場で再生します。


雇用クリーンプランナー(KCP)の視点 評価権限を使った圧力を見逃さない

この件の核心は、メールそのものではありません。評価を握る側が、その権限を相手の立場を落とす方向に使ったのではないかという点です。ここも運用で決まります。

次の一手は3つです。
①初動:評価や指導に関する違和感が出た時点で、メール、時系列、送信先、発言内容を整理し、必要に応じて記録を固定します。個別指導と公開的な低評価を分けて見ます。
②通報設計:教員間でも使える相談窓口と内部通報を整え、不利益取扱い禁止を明文化します。評価権限を持つ相手が対象でも、別ルートで声を上げられる設計が必要です。
③再発防止:評価手続と指導のルールを明文化し、学部内の共有範囲や注意喚起の方法まで具体化します。心理的安全性と安全配慮義務は、学生向けだけでなく教職員間でも守られなければなりません。


結語 指導の形をしていても、評価を落とす意図が入った時点で別物になる

大学では、指導と評価が近い距離にあります。だからこそ、その権限は慎重に扱われなければなりません。

判断軸は単純です。その行為が相手の成長を支えるものだったのか、それとも立場を落とすために使われたのかです。評価権限を持つ側の一通のメールは、想像以上に職場の空気を変えます。

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