2026.03.12
明治大学でパワハラ提訴。教授昇格審査めぐり教授が410万円請求、謝罪後も止まらなかったと主張|一般社団法人クレア人財育英協会
【出典】明治大教授「昇格審査めぐりパワハラ受けた」と提訴、410万円賠償求める
明治大学 パワハラ提訴 教授昇格審査めぐり約410万円請求
明治大学国際日本学部の小谷瑛輔教授が、教授昇格審査をめぐってパワーハラスメントを受け、精神的苦痛を負ったとして、大学などを相手取り計約410万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴したと報じられています。
提訴は2026年3月9日です。小谷教授は同日、東京・霞が関の厚労省で記者会見を開き、提訴を明らかにしたとされています。
教授昇格審査で不正を疑い 代案送付後に叱責されたと主張
訴状や原告側の説明によると、同学部では教員A氏の教授昇格審査が行われていました。
その過程で、小谷教授は、A氏が提出した審査物と学科長による審査報告書の文案内容が著しくかけ離れているとの印象を持ち、自ら作成した代案を審査委員会に送付したとされています。
この経緯をめぐり、小谷教授は学部長から叱責され、その場で学科長の「もう口をききたくない」という言葉を伝えられたと主張しています。
原告側主張 審査報告書文案は「不正行為」に当たる
訴状によると、審査報告書の文案は、審査する側と審査される側が連絡を取り合いながら作成されたものだったとされています。
小谷教授は、この点が不正行為に当たると主張しています。
また、2026年2月には、「審査委員が審査対象に接触したことは大学の教員任用規定や学部の内規の趣旨に反する」との見解を大学側から伝えられたと説明していると報じられています。
謝罪後も二次加害が続いたと訴え 適応障害など発症と主張
訴状によると、小谷教授が大学のハラスメント相談室に申し立てたパワーハラスメント行為について、2025年5月9日の学部教授会で、学部長と学科長が小谷教授に謝罪したとされています。
しかし、その後も二次加害に当たるとされる行為があり、大学側も適切な対応を取らなかったと主張しています。
小谷教授は、吐き気や手の震えの症状が現れ、適応障害などを発症したとして、精神的損害や休業損害などの賠償を求めているとされています。
大学側は「訴状等の正式書類は届いていない」と回答
この件について、弁護士ドットコムニュースは大学を通じて被告となる3者の見解を求めたとされています。
明治大学は、「現時点で本学には訴状等の正式な書類が届いておらず、個別のコメントについては差し控えさせていただきます」と回答したと報じられています。
雇用クリーンプランナー(KCP)の視点 大学ハラスメントは審査手続と二次加害を分けて見ない
大学のハラスメントは、発言だけで起きるとは限りません。昇格審査の公正さへの異議、叱責、謝罪後の二次加害、相談後の対応不全が重なると、被害は長く残ります。処分だけでは戻らず、運用で決まります。
次の一手は3つです。
①初動:異議申立てや相談が出た時点で、面談メモ、メール、会議記録などを整理し、必要に応じて記録・録音も含めて事実を固定します。審査手続の問題とハラスメントの問題を混ぜずに切り分けます。
②通報設計:ハラスメント相談室、内部通報、第三者性のある調査ルートを使える状態にし、不利益取扱い禁止を明文化します。相談後の二次加害や報復を監視する仕組みまで必要です。
③再発防止:昇格審査や任用審査の接触ルール、説明責任、利害関係の線引きを文書化します。心理的安全性と安全配慮義務は、研究教育機関でも例外ではありません。
結語 謝罪があっても、運用が変わらなければ火は消えない
この件で問われているのは、誰が正しいかだけではありません。異議を述べた人が孤立し、謝罪の後も二次加害を訴える構造が残っていたのかという点です。
判断軸は明確です。審査の公正性に疑義が出た時、組織は異論を潰すのか、手続で受け止めるのか。大学が守るべきなのは面子ではなく、異議申立てが報復に変わらない運用です。
