2026.03.26

日南市の部長級職員にパワハラ疑い。弁明書提出で問われるのは「厳しい指導」ではなく組織の判断|一般社団法人クレア人財育英協会

【出典】日南市部長級職員にパワハラ疑い 弁明書提出、市が判断へ


日南市の部長級職員にパワハラ疑い 市が弁明書を受理

日南市は、部長級職員が部下に対してパワーハラスメントを行った疑いがあるとして、この職員から3月23日に弁明書の提出があったことを明らかにしたと報じられています。

現時点では、処分の発表ではありません。市が報告書と弁明書を踏まえて判断する段階に入ったということです。


2025年夏の報告で苦情処理委員会を設置 副市長がトップに

日南市によると、2025年夏、「部長級職員がパワハラ行為を行っている」とする職員からの報告があったとされています。

これを受けて、市は副市長をトップとする苦情処理委員会を設置しました。関係する複数の職員への聞き取りが行われ、2025年12月に報告書がまとめられたと報じられています。


関係者が語ったのは、能力否定と繰り返される呼び出し

関係者によると、複数の職員から「厳しく叱責された」との訴えが相次いだとされています。

部屋に呼び出されて能力を否定する発言を受けたという話や、1日に複数回呼び出され、部屋の外まで叱責の声が聞こえることもあったと報じられています。

問題になっているのは、指導の厳しさそのものではありません。相手が萎縮し、周囲まで空気を読む状態になっていたかどうかです。


年度内にも整理へ 市長は弁明書を慎重に精査するよう指示

市は、提出された弁明書の内容を慎重に精査し、早ければ年度内に整理するよう髙橋市長が指示しているとしています。

つまり、調査報告書だけで結論を急ぐのではなく、本人の弁明も含めて最終判断に進む流れです。疑いの段階だからこそ、何を根拠にどう判断したのかが後で問われます。


調査のさなかに副市長退任 後任は元市総務部長

一方、この問題が明らかになる中、3月24日の市議会で野田忍副市長が退任すると述べたと報じられています。

髙橋市長は、退任理由について県による人事異動によるものだと説明したとされています。野田副市長は、自身なりにしっかり調査してきたので、今後は組織として対応していくことになると話したとされています。

後任の副市長には、元市職員で総務部長を務めた長鶴浅彦氏が就任し、任期は4年間の予定だと報じられています。


論点 疑惑段階で組織が見られるのは「事実」だけではない

ハラスメント疑惑では、処分の有無だけが注目されがちです。ですが、実際にはその手前で、誰が調べ、誰の話を聞き、どこまで弁明の機会を与えたのかが組織の信頼を左右します。

とくに部長級職員が対象なら、内部だけで済ませる空気があったのではないかと見られやすいです。だから疑惑段階ほど、判断そのものより判断の作り方が問われます。


雇用クリーンプランナー(KCP)の視点 幹部案件ほど「調査の透明性」が先に要る

この件の核心は、パワハラがあったかなかったかだけではありません。幹部職員が対象の時に、職員が安心して話せる調査だったのか、そして本人の弁明も含めてどこまで透明に判断できるのかです。ここも運用で決まります。

次の一手は3つです。
①初動:能力否定、繰り返しの呼び出し、叱責の反復は、一件ずつではなく継続性ごと事実固定します。面談メモ、日時、同席者、必要に応じて記録・録音も含めて整理します。
②通報設計:部長級案件でも使える相談窓口と内部通報を整え、不利益取扱い禁止を明文化します。直属上司が対象でも別ルートで声を上げられる設計が必要です。
③再発防止:処分の有無だけで終えず、職場アンケート、管理職研修、配置後のフォローまで回します。心理的安全性と安全配慮義務は、結論を出したかではなく、同じ空気を繰り返さない運用を作れたかで決まります。


結語 厳しい指導だったかどうかではなく、拒否できる関係だったかが問われる

幹部の叱責は、本人の中では指導として処理されやすいです。ですが、何度も呼び出され、能力を否定され、声が外まで響くなら、受け手にとっては指導より先に圧力になります。

判断軸は単純です。相手が本当に異議を言える関係だったかどうかです。そこが崩れているなら、問題は言い方ではなく、権限の使い方そのものにあります。

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