2026.03.04
放送業界 ハラスメント調査、女性7割が性的からかい。「冗談」で境界を溶かす現場|一般社団法人クレア人財育英協会
【出典】「性的からかい受けた」女性は7割 放送業界の環境調査結果を公表
放送業界の環境調査で「性的からかい」女性7割
東京大学大学院などの調査チームが3月3日、放送業界でのハラスメント実態をまとめた調査結果を公表したと報じられています。
女性の7割が「性的な冗談やからかい」を受けた経験があると回答したとされています。女性の約4割は「性的な関係の誘い」を受けたとも紹介されています。
調査方法:匿名ウェブ・メールで183人が回答
調査は2025年5月から2026年1月にかけて、匿名のウェブ・メール方式で実施されたとされています。
放送局での勤務経験がある183人(女性119人、男性62人、その他2人)から回答を得たと報じられています。雇用契約で働く人が137人、フリーランスは37人でした。
被害の内訳:「冗談」「身体接触」「接待要員」まで
「性的な冗談やからかい」は女性84人(70.6%)、男性20人(32.3%)が経験したとされています。
「不必要に身体を触られる」は女性53人(44.5%)、男性4人(6.4%)でした。「性的接待要員にあてがわれる」は女性17人(14.2%)で、男性は0人だったと報じられています。
女性の1割は「性的な関係を強要された」とも回答したとされています。
論点:認識が共有されないまま、現場が回ってしまう
調査結果は、ハラスメントに対する認識が十分に共有されていない現状が浮かび上がったとされています。
「冗談」や「からかい」に見える形ほど、線引きが曖昧になり、止める人が消えます。共有されないのは知識ではなく、拒否の権利です。
雇用クリーンプランナー(KCP)の視点:雇用とフリーの境界を言い訳にしない
雇用契約とフリーランスが混在すると、相談先が曖昧になります。曖昧さは、声を上げた側の損として回収されます。
次の一手は運用です。
①初動:相談が出た時点で事実を固定します。面談メモを残し、必要に応じて記録・録音も含めます。
②窓口:雇用形態を問わず使える相談窓口と内部通報を整えます。不利益取扱い禁止と、相談後の流れを具体化します。必要に応じて第三者委員会の導線も用意します。
③再発防止:事例共有を回し、現場の言動基準を更新します。処分だけでは戻らないので、止まる手順に落とします。
結語:「冗談」で包んだ瞬間に、拒否は孤立する
「冗談だから」と処理された時点で、被害は個人の我慢に回収されます。そこで沈黙が固定されます。
判断軸は明確です。声が上がった時に、止められる窓口と手順があるか。放送の現場が扱う「言葉」が、人を黙らせていないかを点検する局面です。
