2026.03.28
愛知県職員のセクハラ懲戒処分。懇親会でのキスとホテル誘いが減給6カ月に至った理由|一般社団法人クレア人財育英協会
【出典】愛知県職員の懲戒処分について
愛知県が課長補佐級職員をセクハラで懲戒処分
愛知県は3月27日、農業水産局東三河農林水産事務所に所属する課長補佐級の53歳男性職員を、セクシュアル・ハラスメントを理由に懲戒処分にしたと公表しました。
処分内容は、減給10分の1を6カ月です。県の公式発表として、比較的重い処分が明示された形です。
問題は2025年5月と11月の職場懇親会で起きていた
県の発表によると、この職員は2025年5月と11月に開催された職場の懇親会で、部下職員に対してセクハラに該当する行為をしたとされています。
行為の場が業務時間外の懇親会だった点は軽くありません。上司と部下の関係が残っている以上、そこは私的な場に見えても、職場の延長として扱われます。
キスとホテルへの誘い 県は明確にセクハラと位置づけた
事案の概要として公表されたのは、部下職員に対してキスをすること、ホテルへ誘うことでした。
県はこれらを、セクシュアル・ハラスメントに該当する行為としています。冗談や酒席の流れで済ませる余地を残さず、明確に線を引いた形です。
論点 懇親会は「無礼が許される場所」ではない
ハラスメントが起きる場は、会議室や執務室だけではありません。むしろ、懇親会のように空気が緩んだ場ほど、上下関係が「ノリ」に偽装されやすいです。
ですが、相手が部下である時点で、拒否のしにくさは残ります。そこで身体接触や私的な誘いに踏み込めば、それは関係づくりではなく、立場を使った侵入です。
雇用クリーンプランナー(KCP)の視点 酒席を私事にしない仕組みが要る
この件の核心は、個人の酒癖ではありません。懇親会を「多少は許される場」にしていた組織の甘さです。処分だけでは戻らず、ここも運用で決まります。
次の一手は3つです。
①初動:懇親会や出張先での身体接触、性的発言、二次会への誘いも職場の相談対象に含めます。申し出があった時点で面談メモを残し、必要に応じて記録を固定します。
②通報設計:勤務時間外の行為でも相談できる窓口と内部通報を整え、不利益取扱い禁止を明文化します。「業務外だから難しい」で止めると、いちばん起きやすい場が抜け落ちます。
③再発防止:懇親会のルールを曖昧にせず、幹部・管理職には特に、身体接触、性的な誘い、個別の連れ出しを禁止事項として具体化します。心理的安全性と安全配慮義務は、執務室の中だけで守れば足りません。
結語 酒の席で出た本音ではなく、拒否できない相手に何をしたかで決まる
懇親会での行為は、あとから「酔っていた」「場の流れだった」と処理されがちです。ですが、そこで見られるのは本音ではなく、権限の使い方です。
判断軸は単純です。相手が本当に断れたかどうかです。断れない関係の中でキスやホテルへの誘いに踏み込んだ時点で、その場は親睦ではなく、職場の暴力に変わっています。
