2026.05.01

小松市民病院で50代職員2人をパワハラ処分。「大声の叱責」と「無視」は別の顔をした同じ支配|一般社団法人クレア人財育英協会

【参照】FNNプライムオンライン(石川テレビ)

URL:https://www.fnn.jp/articles/-/1038415
 

小松市民病院で50代職員2人が減給の懲戒処分

小松市民病院の職員2人が、他の職員に対してパワーハラスメントを行ったとして、4月30日付で減給の懲戒処分を受けました。

処分を受けたのは、病院診療部に所属する部長級職員と、病院医療技術部に所属する主幹級職員で、いずれも50代とされています。

主幹級職員は同日付で依願退職しました。

 

部長級職員は「日本語が分からないのか」などと大声で叱責

報道によると、部長級職員は昨年度までの3年間にわたり、派遣職員を含む4人に対して「日本語が分からないのか」「余計なことはするな」などと大声で叱責したとされています。

これは単なる厳しい指導ではなく、相手の萎縮を前提にした言葉の使い方です。

医療現場では、問い返すことや確認することが仕事の一部ですが、その回路を言葉で潰しています。

 

主幹級職員は「自分で考えろ」と突き放し、挨拶も無視

もう1人の主幹級職員は、2013年度から2024年度にかけて部下4人に対し、質問に「自分で考えろ」と冷たく突き放したり、挨拶を無視したりしたと報じられました。

怒鳴る行為だけがハラスメントではありません。

質問を受け取らない、返事をしない、存在を認めない。こうした振る舞いも、職場では強い圧力として機能します。

 

この事案が示しているのは、「強い言葉」と「冷たい沈黙」の両方が職場を壊すということ

一方は大声で叱責し、もう一方は冷たく切り離す。表面の振る舞いは違って見えます。

しかし、どちらも共通しているのは、部下が安心して確認し、相談し、学べる関係を壊している点です。

組織に残るのは、「何か言えば怒鳴られる」「聞いても無視される」という空気です。

 

KCPの視点:「指導」とは、相手を黙らせることではなく、相手が理解できる形に変換することです

指導と支配の違いは、相手が質問できるかどうかに表れます。

「日本語が分からないのか」は、理解を助ける言葉ではなく、理解できない側に恥を押しつける言葉です。

「自分で考えろ」も、考えるための材料や枠組みを渡さずに突き放すなら、育成ではなく放棄に近づきます。

部下を萎縮させて成立する関係は、厳しさではなく統制です。

 

KCPの解説:医療現場で本当に危ないのは、声が大きい人だけではありません

医療現場は、確認と共有が止まった瞬間に事故へ近づきます。

だからこそ危ないのは、怒鳴る人だけではなく、「この人には聞けない」「言っても返ってこない」と思わせる人です。

ハラスメント対策は、加害者を処分して終わりではありません。質問を歓迎する言葉、確認を責めない反応、挨拶や応答を最低限の規律として守ること。そこまで職場の運用に落とさない限り、再発防止は表札だけで終わります。

沈黙を生む指導は、医療の質を下げます。ここを曖昧にしたままでは、信頼回復はできません。

 

結語

怒鳴る人が悪い。無視する人も悪い。そこで止めると、この問題は浅くなります。

本当に見るべきなのは、なぜ長く続き、なぜ途中で止まらなかったのかです。

病院で必要なのは、従わせる力ではなく、言いにくいことほど言える空気です。そこが崩れているなら、処分より先に職場の設計を疑うべきです。

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