2026.03.18

大阪市のパワハラ局長26件認定。2カ月無視でも全面否定、沈黙で部下を削る職場|一般社団法人クレア人財育英協会

【出典】部下に背中向けて2カ月無視…大阪市局長による26件のパワハラ認定 本人は全面否定


大阪市公正職務審査委員会が局長の26件をパワハラ認定

外部弁護士らで構成する大阪市公正職務審査委員会は3月16日、市経済戦略局の岡本圭司局長の言動26件をパワーハラスメントと認定し、言動を改めるよう勧告したと発表しました。

市は、処分を含めて対応を検討するとしています。局長級の言動が、個人の癖ではなく組織課題として表に出た形です。


大声叱責と2カ月無視 令和6年以降の言動が対象

委員会によると、岡本局長は令和6年以降、職員を名指しして能力や資質に欠けるといった趣旨の発言をし、大声や強い口調で叱責していたとされています。

さらに、約2カ月にわたり背中を向けて無視した行為も認定対象に含まれました。怒鳴るだけではなく、相手を存在しないものとして扱う態度まで問題にされた点が重いです。


公益通報とアンケートが示したのは、職場全体の萎縮

この事案は公益通報を受けて調査が進められたとされています。委員会は職員アンケートの結果なども踏まえて判断しました。

その上で、ほとんどの言動が他の職員の前で行われ、職員が精神的な不安を感じ、萎縮したと指摘しています。問題は一対一の衝突ではなく、周囲まで黙らせる空気ができていたことです。


本人は全面否定 市長には改善状況の調査も勧告

岡本局長は聞き取りに対し、自身も過去にパワハラを受けたことがあり、一番してはならないことだと述べた上で、すべての事実を否定しているとされています。

一方、委員会は局長本人に言動の改善を求めただけでなく、横山英幸市長に対しても、職場環境アンケートなどを実施し、改善されたかを調査するよう勧告しました。個人処分だけで終わらせず、職場が戻ったかまで確認しろということです。


市の対応 処分検討と全庁での再発防止

岡本氏は大阪府府民文化部長などを歴任し、令和3年3月に府を退職した後、市の公募で採用され、翌4月から現職とされています。

横山市長は、所属長に対する勧告を重大に受け止めているとし、全庁を挙げて再発防止と職場環境の改善に取り組むと述べたと報じられています。


雇用クリーンプランナー(KCP)の視点 無視もまた、明確な支配です

この件の厄介さは、暴言だけでなく「無視」が認定された点です。相手を見ない、返さない、背を向ける。これは感情表現ではなく、相手を職場から外す支配です。処分だけでは戻らず、ここも運用で決まります。

次の一手は3つです。
①初動:大声、強い口調、長期の無視も相談対象に含めます。面談メモを残し、必要に応じて記録・録音も含めて事実を固定し、管理職ラインとは別に即時エスカレーションできるようにします。
②通報設計:公益通報、内部通報、相談窓口を局長級案件でも使える状態にします。不利益取扱い禁止を明文化し、声を上げた職員が孤立しない導線を整えます。
③再発防止:処分の有無だけで終えず、改善後アンケートまで回します。心理的安全性と安全配慮義務は、言動を改める宣言ではなく、現場の空気が変わったかで判断するしかありません。


結語 怒鳴る上司より、黙って切る上司のほうが長く残る

叱責は目立ちます。だから問題化しやすいです。無視は静かです。だから周囲も見て見ぬふりをしやすい。ですが、職場を冷やす力はむしろ後者のほうが強いことがあります。

判断軸は単純です。相手が意見を言える状態を残しているかどうかです。背中を向ける管理職を放置する組織は、暴言より先に、沈黙で壊れます。

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