2026.10.19

会議中のパワハラを防ぐ、管理職の処分報道から考える周囲の対応

この記事の結論:会議中のパワハラが気になっても、その場で上司と言い争う必要はありません。安全にできるなら休憩を提案する、見聞きしたことをメモする、後で本人に声をかける。自分の立場でできることから始めましょう。

  • 同席者に危険な対決や仲裁を求めない。
  • 発言、場面、業務上の論点を、推測と分けて記録する。
  • 処分の有無だけでなく、次の会議の進め方も見直す。

人前でどなる行為も処分の対象に。報道から考えること

読売新聞オンラインは2026年10月17日、部下2人にパワーハラスメント行為をしたとして、兵庫県警が警視を9月2日付で警務部長訓戒の処分としていたと報じました。報道では、威圧的な発言や、他の職員の面前でどなる行為があったとされています。

自分の職場で同じような場面に出会ったら、どうすればよいでしょうか。その場で言い返せなくても、後からできることはあります。会議をいったん区切る、見聞きしたことをメモする、本人に声をかける。その進め方を見ていきましょう。

会議中のパワハラ、無理に言い返す以外にできること

誰かが声を荒らげている場で、同席者が直ちに言い返すことが常に安全とは限りません。議長や上位の責任者がいるなら、「いったん休憩にしましょう」「確認する資料を整理してから再開しましょう」と、業務を進めるための区切りを設ける方法があります。

立場の弱い同席者へ、単独で制止する役割を押しつけないことも必要です。身体的な危険がある場合は安全確保を優先します。その場で動けなかった人でも、後から窓口へ見聞きした事実を伝えることは、対応の一助になり得ます。

メモには「誰が、何と言ったか」を残す

記録する際は、日時、会議の目的、同席者、具体的な発言、声の大きさや繰り返し、相手の反応など、自分が確認した範囲を残します。正確な言葉を覚えていないときは、一字一句正確な記録のように書かず、記憶による要約だと分かる形にします。

業務上のミスがあったかという点と、その伝え方が相当だったかという点は、別に整理します。「資料がなかったから仕方がない」「いつものことだから問題ない」といった評価を、事実の記載に混ぜないようにしましょう。

記録を同僚のグループチャットへ拡散することは避け、社内で定めた窓口や担当者に必要な範囲で共有します。証拠を集めるために他人のアカウントや資料へ無断でアクセスしてはいけません。

会議の後は「少し休めそうですか」から

会議の後は、他の人に聞かれにくい場所で「少し休めそうですか」「今、手伝えることはありますか」と、当面の負担を確認するところから始められます。「すぐ通報すべき」「大したことではない」のどちらも、本人の選択を狭めることがあります。

本人が相談を迷っている場合は、窓口の選択肢と情報の扱いを一緒に確認します。自分だけで秘密を抱える約束をするのではなく、必要な安全配慮や報告がある場合は、誰に何を共有するかを説明して進めましょう。

次の会議でも同じことが起きないようにする

再発防止では、資料の不足、報告の遅れ、意見の対立が起きたときに、どこで話を区切るかを決めます。議長が論点を整理する、個別の指導は適切な場に分ける、終了後に担当と期限を確認するなど、会議の運営として実行できる改善を選びます。

厚生労働省は、ハラスメントの相談があった場合の迅速で正確な事実確認、適切な対応、再発防止、プライバシー保護等を示しています。発言を見た人を責めたり、相談への協力を理由に不利益を与えたりしない体制を周知することも大切です。

迷ったら、ここをチェック

こんなとき 気をつけたいこと まずすること
その場の対応 同席者に対決を求める 議長等が安全に休憩・中断を判断
事実の記録 人柄の評価と推測が中心 発言と状況、記憶の限界を記載
再発防止 注意したことだけで終える 会議運営と報告手順を見直す

よくある質問

会議中のパワハラか判断できなくても相談できますか?

判断を確定してから相談する必要はありません。気になった言動やその状況を、確認できる範囲で窓口へ伝えましょう。相談を受ける側も、最初から結論を求めず話を聴くことが大切です。

同席者はその場で上司を止める義務がありますか?

すべての同席者に同じ対応を求めることは適切ではありません。職務上の役割、危険性、組織のルール等によります。無理な対決を避け、安全な報告や事後の支援を含めて対応します。

目撃した人が迷わない職場にする

相談担当者は、当事者の話だけでなく、同席者がどの範囲を確認したのかを丁寧に整理する役割を担います。証言の多さだけで結論を決めず、記録や状況と合わせて確かめる姿勢が必要です。

雇用クリーンプランナー(KCP)の視点:職場で始めたい3つのこと

まずは、職場で次の3つを確かめてみましょう。

  1. 場を区切る
    議長等が安全を確認し、休憩や論点整理を行う。
  2. 記録してつなぐ
    見聞きした事実を必要な窓口へ伝える。
  3. 次回の運営を変える
    責任者と期限を決めて、同じ状況への対応を確認する。

関連解説:ハラスメント研修の効果測定

まとめ

会議中のパワハラを防ぐには、目撃した人の勇気だけに頼らない仕組みが必要です。中断できる運営、記録、相談先、事後の支援を用意し、安心して報告できる職場へつなげましょう。

相談から次の対応につなげられる人材を育てる

一般社団法人クレア人財育英協会では、ハラスメント撲滅のための啓蒙活動の一環として、相談対応から就業上の支援までをサポートする専門家「雇用クリーンプランナー(KCP)」の育成と認定を行っています。

「相談窓口の担当者を育てたい」「現場と人事が連携する手順を整えたい」とお考えの企業様は、ぜひ当協会の資格認定プログラムをご活用ください。

【雇用クリーンプランナー資格取得について】詳細のお申し込みはこちら

お申し込みはこちら