2026.04.22

吹田市のパワハラ処分。部下でも「優越的」と認定された47歳職員が示した逆転の圧力|一般社団法人クレア人財育英協会

【出典】上司を大声で責め立てる・机をたたいて威圧、「部下でも知識や経験を有し優越的」とパワハラ認定…47歳職員を処分


吹田市が47歳職員を懲戒処分 減給10分の1を3か月

大阪府吹田市は4月20日、市民室主査の47歳の職員を、減給10分の1・3か月の懲戒処分にしたと報じられています。

理由は、上司を厳しく責め立てるなどのパワーハラスメントを繰り返したと認定されたためです。上司から部下への加害だけを想定していると、この事案の核心は見えません。


発端は異動後まもない上司への叱責 大声と机をたたく威圧が続いた

記事によると、この職員は2020年11月から市民総務室に所属していました。

そして2024年9月頃から、異動して約半年の上司に対し、業務の進め方をめぐって大声で責め立てたり、机をたたいて威圧したりしたとされています。問題は意見の違いではなく、相手を萎縮させるやり方にありました。


公益内部通報で発覚 市は「部下でも優越的」と判断した

この件は、2024年10月に公益内部通報で発覚したとされています。

記事では、パワハラは職務上の地位や優位性を背景に、上司から部下に対して起きることが多いとしつつ、同僚や部下であっても、業務上必要な知識や経験を有する場合などは「優越的」とされると説明しています。

吹田市は、この考え方に基づいて一連の言動をパワハラ行為と認定しました。役職の上下ではなく、現場で誰が相手を黙らせられるかが問われたということです。


管理監督者2人も処分 止められなかった側の責任も残った

記事によると、管理監督者だった当時の同室参事ら2人も、減給や訓告の処分を受けました。

ここで見えているのは、本人の言動だけではありません。強い知識や経験を持つ職員が、異動直後の上司を威圧する状況を、周囲が止められなかったことも問題として残ったということです。


雇用クリーンプランナー(KCP)の視点 役職ではなく「現場で誰が支配しているか」を見ないと外します

この件の厄介さは、形式上は部下である人物が、実際には知識や経験を武器に上司を追い込んでいた点です。ハラスメントを役職の矢印だけで見ている組織ほど、このタイプを見落とします。ここも運用で決まります。

次の一手は3つです。
①初動:大声、机をたたく威圧、執拗な責め立てが出た時点で、役職にかかわらず事実を固定します。面談メモ、日時、同席者、継続性を整理し、即時にエスカレーションします。
②通報設計:上司が被害側になる場合も想定し、直属ラインだけに依存しない相談窓口と内部通報を整えます。不利益取扱い禁止も明文化しないと、立場上言いにくい人ほど沈黙します。
③再発防止:管理監督者研修では、役職の上下ではなく、知識、経験、声量、周囲への影響力まで含めた「優越性」を学ばせる必要があります。心理的安全性と安全配慮義務は、組織図だけ見ていても守れません。


結語 肩書きが下でも、職場を支配した時点でハラスメントは成立します

「部下だから弱い側だ」と決めつけると、現場の力関係を見誤ります。実際には、経験の長さや専門知識が、役職以上の圧力になることがあります。

判断軸は単純です。誰が名目上の上かではありません。誰が相手を大声と威圧で黙らせ、仕事の場を支配していたかです。役職の矢印ではなく、現場の空気を見ない組織から、こういうパワハラは繰り返されます。

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