2026.04.01

石川県立大学のアカハラで教授を停職3か月。研究指導の放棄と進路妨害が越えた一線|一般社団法人クレア人財育英協会

【出典】石川県立大学の50代男性教授がハラスメント 学生への指導放棄や進路妨害 停職3か月の懲戒処分


石川県立大学が教授を停職3か月 アカハラを認定

石川県公立大学法人は、石川県立大学の50代の男性教授を、アカデミック・ハラスメント、いわゆるアカハラで懲戒処分にしたと報じられています。

処分は3月27日付で、内容は停職3か月とされています。研究教育の中核にいる教員が、指導の場そのものを傷つけたとして正式処分に至った形です。


問題とされたのは、研究指導の放棄と進路選択の妨害

記事によると、この教授は2023年12月から、自身が受け持つ研究室の複数の学生に対し、研究指導を放棄する行為をしていたとされています。

さらに、卒業を間近にした学生に対して、進路選択を妨害するハラスメント行為もあったと報じられています。アカハラは怒鳴ることだけで起きるのではなく、指導を止めることでも成立することがここに出ています。


複数の学生が相談し発覚 大学が聞き取り調査を実施

この問題は、2025年7月に複数の学生から大学側に相談があったことで明らかになったとされています。

大学はその後、聞き取り調査などを行ったと報じられています。研究室の中で起きたことが、学生側からの申告でようやく外に出たという構図です。


卒業した学生にも被害 研究室の外に出ても消えなかった問題

調査の結果、すでに卒業した学生の中にも被害を受けていた人がいたことが分かったとされています。

つまり、目の前の学生だけの問題ではなく、研究室の運営そのものに長く歪みがあった可能性が浮かびます。卒業すれば終わる傷ではなかったということです。


大学の対応 教職員への研修を改めて実施へ

大学側は、改めて教職員にハラスメント防止研修を受講させるなど、再発防止に努めるとしています。

ただ、研修だけで再発が止まるわけではありません。研究室という閉じた単位で、誰が声を上げられ、誰が止められるのかまで変えないと、同じ構造は残ります。


論点 アカハラは「怒鳴ること」より「握っているもの」で起きる

大学教員は、学生の研究指導だけでなく、評価や卒業、進路にも影響を持ちます。だからこそ、強い言葉がなくても、指導を止めたり進路に介入したりするだけで十分に圧力になります。

問題は言い方の荒さだけではありません。相手が将来を人質に取られているように感じる関係にあったかどうかです。研究室は学びの場である前に、権限が集中しやすい場でもあります。


雇用クリーンプランナー(KCP)の視点 研究室の中に「逃げ道」を作らない限り、指導は閉じる

この件の核心は、学生が怒鳴られたかどうかではありません。指導を受ける権利と、進路を決める自由の両方が同じ相手に握られていたことです。ここも運用で決まります。

次の一手は3つです。
①初動:研究指導の放棄、進路への圧力、面談拒否などもハラスメントの相談対象に明確に含めます。申告があれば、メール、面談記録、指導履歴を整理し、必要な事実を固定します。
②通報設計:指導教員以外に相談できる窓口を整え、不利益取扱い禁止を明文化します。卒業や進路に影響する場面ほど、別ルートの救済が必要です。
③再発防止:研究室単位に権限が集中しすぎていないか点検し、進路相談と研究指導を切り離す仕組みを持ちます。心理的安全性と安全配慮義務は、教員の善意ではなく制度で守るしかありません。


結語 指導しないことも、進路を握ることも、教育ではない

研究指導を放棄することは、何もしないようでいて、学生には深い圧力になります。進路の邪魔まで加われば、それは放置ではなく介入です。

判断軸は単純です。その関わりが学生を育てるものだったのか、それとも従わせるものだったのかです。大学が守るべきなのは教授の裁量ではなく、学生が未来を削られない最低限の線です。

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