2026.03.24
小郡市のハラスメント防止条例、弁護士会と連携へ 「相談できる町」に変える協定の中身|一般社団法人クレア人財育英協会
【出典】
セクハラ・パワハラない町めざし協定締結 福岡県弁護士会が小郡市に法的サービス提供
小郡市がハラスメント防止で福岡県弁護士会と協定締結
福岡県小郡市と福岡県弁護士会は3月23日、あらゆるハラスメントがないまちづくりを目指す協定を締結したと報じられています。
小郡市役所で同日午前10時半から調印が行われ、小郡市の加地良光市長と福岡県弁護士会の上田英友会長が協定に署名したとされています。
4月施行のハラスメント防止条例 対象は市民や企業まで広がる
記事によると、小郡市では4月から、市民や企業などを対象に、セクハラやパワハラなどあらゆるハラスメントの防止を目指す条例が施行されます。
ここで見えているのは、役所の内部対策にとどめず、地域全体の問題として扱おうとしている点です。職場だけではなく、まちの空気そのものを変えようとしていると読めます。
協定の中身 市役所への相談時に弁護士会が法的サービスを提供
協定では、ハラスメントに関して市役所に相談があった際などに、福岡県弁護士会が法的サービスを提供することになっているとされています。
条例を作るだけで終わらせず、相談が来た後にどう受け止めるかまで外部専門家を入れた形です。相談窓口の中身が空洞にならないかどうかは、こうした連携にかかっています。
小郡市長の認識 幅広い相談には専門家が必要
加地良光市長は、対象があらゆる市民に及び、通勤者も含めて幅広いことから、実際にどのような形で相談を受けることができるかを考えると、専門家にきちんとついてもらわなければいけないと述べたと報じられています。
相談窓口は作れば機能するわけではありません。誰が受け、どう整理し、どこまで支えるのかが伴わなければ、制度は表札だけになります。
福岡県弁護士会では初 小郡市は窓口整備を進める
記事によると、福岡県弁護士会がハラスメントに関する協定を自治体と結ぶのは初めてです。
小郡市は、ハラスメント窓口を設けて、誰もが能力や意欲を発揮できるまちづくりを目指したいとしています。今回の協定は、理念を相談体制に落とすための一歩として位置づけられます。
論点 条例より先に問われるのは「相談の質」
ハラスメント対策は、禁止を掲げるだけでは機能しません。相談した後に何が起きるのかが曖昧なら、人は窓口に来ません。
今回の協定が持つ意味は、条例の理念を法的支援につなげた点にあります。言い換えれば、問題は「禁止したか」ではなく、「相談に耐えられる体制を作ったか」です。
雇用クリーンプランナー(KCP)の視点 窓口を作るだけではなく、使える状態にする
この件で重要なのは、ハラスメントを否定する町を名乗ることではありません。相談した人が、途中で諦めずに済む導線を持てるかどうかです。ここも運用で決まります。
次の一手は3つです。
①初動:相談が来た時点で、事実関係、時系列、関係者、困っている内容を整理できるようにします。窓口担当者だけで抱え込まず、必要に応じて専門家へ速やかにつなぐ設計が必要です。
②通報設計:市民、事業者、通勤者など対象が広いなら、誰が相談できるのか、どこまで守秘されるのか、不利益取扱いをどう防ぐのかを具体化します。曖昧な窓口は、結局いちばん弱い人から遠ざかります。
③再発防止:相談件数だけで終わらせず、どの類型が多いのか、どこでつまずいたのかを検証し、周知、研修、ルール整備に戻します。能力や意欲を発揮できるまちは、理念ではなく、相談後の手順で決まります。
結語 「相談できる町」は、やさしい町ではなく、逃げ場を制度にした町だ
ハラスメントのない社会を目指すと言うのは簡単です。難しいのは、相談が来た後に、誰が、どこまで、責任を持って支えるかを決めることです。
判断軸は単純です。条例があるかではありません。困った人が声を上げた時、専門家につながる現実の道があるかどうかです。町を変えるのは理念ではなく、その道筋です。
