2025.10.22
福井県知事にセクハラ通報──「公務の信頼」を守るために、組織が今すべきこと
【出典】福井新聞(2025年10月22日配信)
「知事から不適切メッセージ、セクハラ受けた」と福井県職員訴え 県発表 全職員対象に調査へ
知事の不適切メッセージを職員が通報
福井県は22日、杉本達治知事(63)から県職員に不適切な内容のメッセージが送られたとの通報があったと発表しました。
県は、この通報を「公益通報」として受理し、内部調査を進めてきました。
発表によると、職員は今年4月、外部の通報窓口を通じて訴え出ました。
知事はメッセージを送った事実は認めていますが、内容の詳細は公表されていません。
弁護士が調査へ、全職員を対象に確認
県は、外部弁護士3人による特別調査委員会を設置します。
調査は知事本人だけでなく、医療職を除く全職員およそ3,000人を対象に実施されます。
会見した服部和恵総務部長は「通報があったことを重く受け止めている」と述べました。
調査結果がまとまり次第、公表する方針です。
杉本知事は「調査結果を待って、適切に対応したい」とコメントしています。
公職者のセクハラ──「立場の力」が影響する
この通報は、行政トップによるハラスメントの典型的な構造を示しています。
知事と県職員の間には明確な上下関係があります。
たとえ軽い言葉でも、上司の立場から送られたメッセージは「圧力」として受け取られることがあります。
職員は人事権を持つ上司に直接意見を言いづらく、問題が表に出にくい構造があります。
そのため、「意図」ではなく「影響」に目を向けることが重要です。
雇用クリーンプランナー(KCP)の視点──組織の信頼を守る3つの仕組み
雇用クリーンプランナー(KCP)は、今回の通報を「組織ガバナンスの問題」として捉えています。
行政や教育など、権限が集中する組織では、ハラスメントが構造的に起こりやすい傾向があります。
KCPは、信頼を回復するために次の3つの仕組みを提言します。
① トップ層への倫理ガバナンス研修
知事や管理職など、権限を持つ立場にこそ倫理教育が必要です。
ハラスメントの定義や言葉の影響力を理解し、自己点検できるリーダーシップを養うべきです。
② 外部通報窓口の常設と透明化
職員が匿名で安全に相談できる仕組みが欠かせません。
通報後の不利益防止を徹底し、調査結果を公表することで県政への信頼を守ることができます。
③ 組織文化の再構築
処分ではなく、再発防止を重視する文化改革が必要です。
「言いにくさ」を取り除き、対話と尊重が機能する組織を目指すべきです。
信頼は透明性から生まれる
今回の福井県の対応は、外部弁護士を交えた独立調査を行う点で評価できます。
しかし、それだけでは不十分です。
行政トップによる発言や行動は、組織全体の信頼を左右します。
透明な調査と説明責任を徹底しなければ、県民の信頼は戻りません。
KCPは、行政・企業を問わず「信頼で動く組織」を支える制度づくりを続けていきます。
