2025.10.19

子育て女性の「正社員復帰」に高い壁──既婚女性の6割が非正規、柔軟な正社員制度が鍵に

【出典】読売新聞(2025年10月20日配信)
勤務する保育園の火災に関与、保育士の女を未遂容疑で逮捕…「人間関係に嫌気がさした」と供述

「人間関係に嫌気がさした」──保育士が放火未遂で逮捕

埼玉県松伏町の「ゆたか保育園」で18日深夜に発生した火災をめぐり、同園に勤務する31歳の女性保育士が建造物侵入および放火未遂の疑いで逮捕されました。警察によると、女性は園内のカーペットに火をつけ、「人間関係に嫌気がさした」と供述しています。幸い、火は建物全体には広がらず、園児や職員にけがはありませんでした。この事件は、保育士の職場に潜む人間関係のストレスと心理的負荷を象徴する出来事だといえます。

保育士の4割が「人間関係に悩む」と回答

厚生労働省の調査では、保育士の約4割が「職場の人間関係に悩んでいる」と回答しています。保育の現場はチームで子どもを支える構造のため、同僚との協力が欠かせません。しかし、保護者対応や長時間労働、感情労働が重なることで心理的安全性が失われやすい職場環境が生まれています。特に主任や園長との関係がこじれた場合、保育士が孤立しやすく、メンタルヘルスの悪化や離職につながりやすい傾向があります。「子どものために我慢する」「周囲に迷惑をかけたくない」という善意が、逆に自分を追い込む要因になることも多いのです。

感情労働の現場に潜む「静かなハラスメント」

保育士は、子どもや保護者に感情を向けながら働く“感情労働”の典型職種です。
一方で、上司や同僚との摩擦、保護者からの理不尽な要求といった外的ストレスが積み重なり、ハラスメントの温床となりやすい職場でもあります。

「やさしさ」を求められる現場ほど、怒りや疲れなどの負の感情を抑え込みがちです。こうした沈黙のストレスが積み重なることで、バーンアウト(燃え尽き症候群)や心理的な限界を迎える職員が少なくありません。

雇用クリーンプランナー(KCP)は、この構造を「善意の裏に潜む過剰な自己抑制」と定義しています。やりがいを持つ職員ほど自責的になり、組織に問題があっても声を上げにくくなる傾向があります。

雇用クリーンプランナー(KCP)の提言──感情労働を「制度で支える」

KCPでは、保育・医療・介護など感情労働の現場において、人間関係トラブルと職場ストレスを早期に可視化する仕組みが欠かせないと考えています。再発防止には、次の3つのアプローチが重要です。

1. 第三者による相談・通報体制の常設

職員が上司に直接言いづらい悩みを匿名で相談できる第三者窓口を設置することで、問題の兆候を早期に把握できます。

2. チーム内の心理的安全性を守る運営

意見の違いを罰せず、全員が安心して意見を出せる会議文化をつくることが、ストレスを蓄積させない第一歩です。

3. 管理職へのストレスマネジメント研修

園長や主任などの中間層に、感情労働のリスクとケア技術を教える研修を義務化することが求められます。管理職自身が人を支える技術を持つことで、組織全体の安心感が変わります。

職場ストレスは「個人の問題」ではない

人間関係や心理的ストレスは、個人の性格ではなく組織設計の問題です。
「忙しいから仕方ない」「相性の問題」として片づけてしまえば、再発を防ぐことはできません。

やさしさを仕事にする現場こそ、制度と文化の両輪で職員を守る必要があります。
子どもを守るためには、まず保育士自身の心を守る仕組みが欠かせません。

KCPは今後も、心理的安全性の確保とハラスメント防止を軸に、信頼で動く職場文化を支援していきます。

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