2025.07.31

ハラスメント対策における産業医の役割――法律・実務・連携フローを徹底解説|雇用クリーンプランナー

パワハラ防止法の全面適用以降、産業医がハラスメント対応のキーパーソンとして注目されています。
「産業医は安全衛生だけでなくハラスメントも見るの?」「人事とどう連携すべき?」
本稿ではハラスメント×産業医をテーマに、法律根拠・実務プロセス・相談フロー・成功事例までを網羅的に解説します。

■ 1. 産業医がハラスメント対応に関わる法的根拠

● 労働安全衛生法 第13条・第66条
事業者は労働者の心身の健康保持増進を図るため、産業医を選任し意見聴取義務。
● 労働施策総合推進法(パワハラ防止法)
ハラスメント被害者のメンタル不調を防ぐ措置として、産業医面談を導入するよう指針で明記。
● 厚生労働省「職場のメンタルヘルス指針」
ストレスチェック後の高ストレス者フォローアップで産業医面談が必須。

■ 2. 産業医の3大ミッション

  1. (予防)リスクアセスメント
    ストレスチェック結果・勤怠データ・相談件数を多面的に分析し、ハラスメント多発部署を特定。
  2. (介入)医師面談・診断
    被害申告者の心身状態を評価し、就業制限・治療の要否を事業者へ勧告。
  3. (復帰)職場復帰支援
    休職者の復職判定、段階的就労(リワーク)プランを作成し、再発防止をフォロー。

■ 3. 実務フロー:発生から復職支援まで

① 相談受付(人事・外部ホットライン)
② 事実確認(コンプラ室)
③ 医師面談(産業医・EAP)
④ 就業措置勧告(部署異動・休職・勤務時間短縮)
⑤ 再発防止策(研修・組織開発)
⑥ 復職判定(産業医+人事+上司)
⑦ フォロー面談(3か月・6か月・1年)

■ 4. 人事・産業医・外部専門家の連携モデル

役割 担当 主なタスク
人事・総務 内部 相談受付・規程改定・労基署対応
産業医 内部/嘱託 面談・診断・就業措置勧告
EAPカウンセラー 外部 カウンセリング・復職支援
雇用クリーンプランナー 社内/外部 ハラスメント調査・研修講師
弁護士・社労士 外部 法的助言・訴訟リスク評価

■ 5. よくある課題と解決策

  • 課題:産業医がハラスメント調査スキルに不安
    対策:雇用クリーンプランナー資格をダブル取得し、法律と調査手法を補強。
  • 課題:面談勧奨を上司が止めてしまう
    対策:就業規則に「産業医の面談指示は必須」と明記し、拒否時の懲戒条項を設定。
  • 課題:プライバシーと情報共有のバランス
    対策:産業医→人事への情報は「就業可否・配慮事項」に限定。診断名は開示しない。

■ 6. 参考リンク・資料

 

■ 8. まとめ

ハラスメント問題はもはや「メンタルヘルス対策」と不可分です。
産業医を要に〈人事・EAP・弁護士〉がチームを組み、予防→早期発見→就業措置→復職支援のサイクルを回すことが、組織の持続性と従業員の幸福を守る最短ルート。
まずは産業医と人事が「相談フロー設計」と「就業措置ガイドライン」を共有し、今日から機能する体制づくりを始めましょう。

※本記事は一般情報に基づき作成しています。個別案件は産業医・社労士・弁護士等の専門家にご相談ください。

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