2025.10.10
認定こども園で保育士が集団退職──大阪・堺市の運営法人を6人が提訴へ、「不当な降格」「虚偽説明」で精神的苦痛
【出典】日本テレビ NEWS/読売テレビ(2025年10月10日配信)
【独自】認定こども園を集団退職した元職員6人が賠償求め運営法人を提訴へ「納得できる理由なく降格」「個人面談で退職判断迫られた」 大阪・堺市
保育士6人が運営法人を提訴へ、集団退職の背景に「不当な人事と説明」
大阪府堺市西区の認定こども園で勤務していた保育士6人(元園長を含む)が、運営法人による不当な降格人事や保護者への虚偽説明によって精神的苦痛を受けたとして、計約400万円の損害賠償を求める訴訟を起こす方針を明らかにしました。
このこども園では2024年以降、保育士の不満が高まり、今年5月末までに21人中15人が退職。園児19人が転園する事態に発展しました。元園長は「保育環境を改善しようとした矢先に、理由も示されず降格された」と主張。法人側は説明会を拒否し、代わりに個人面談で「退職か在職かを選べ」と迫ったとされています。
虚偽の保護者説明・不十分な労務環境も指摘
原告側は、法人が保護者説明会で「保育士らが他職員に退職を迫った」と虚偽の説明をしたと主張。また、労務環境にも問題があったとしています。
元職員の証言によれば、
・乳児用ミルクを冷蔵水で作る
・調理場に上履きのまま出入り
・園児情報を施錠なしで保管
といった安全管理上の不備があり、園長が改善を求めても組織的に対応されなかったといいます。
さらに、人員不足の中で休憩も取れず、法人は「残業削減」を強く求めるなど、保育士の労務負担が限界に達していたとのことです。
堺市は「法人の人事に介入できない」と説明
堺市によると、法人からは「園長としての資質を考慮した降格」「人間関係の問題による退職」と説明を受けたとしていますが、行政として具体的な介入はできなかったと説明。
元園長は「子どもたちを巻き込んでしまい申し訳ない。裁判で真実を明らかにしたい」と話しています。
雇用クリーンプランナーの視点──教育・保育現場の「人を育てる労務管理」へ
雇用クリーンプランナー(KCP)の観点では、この事案は教育・保育業界における職場ガバナンスと労務管理の欠落を象徴しています。
・「人事権の濫用」が現場を崩壊させる構造
・安全や衛生よりも「上司の指示」が優先される危険な職場体質
・保育現場の長時間労働・人員不足を軽視する組織文化
KCPは、教育・福祉分野こそ「職員を守る制度設計」が不可欠だと指摘します。透明な評価制度、相談窓口、独立した監査体制などを整備しなければ、現場は疲弊し、子どもたちの安全にも直結します。
まとめ──「子どもを守る」は「職員を守る」ことから
保育の質を支えるのは、現場の人です。
不当な降格やハラスメントがまかり通る職場では、子どもたちを安心して預けられません。
教育・保育現場に必要なのは「従業員を守る労務管理」と「透明な組織運営」。
子どもを守ることは、まず大人の尊厳を守ることから始まる――それが持続可能な教育の第一歩です。
