2025.09.24
社労士による雇調金不正が相次ぐ──「雇調金バブル」で64人関与、総額11億円超
【出典】読売新聞オンライン(2025年9月24日配信)
助成金狙う悪徳社労士、コロナ禍の「雇調金バブル」で相次ぐ…3年間で64人が関与・刑事事件にも
コロナ特例が招いた「雇調金バブル」
新型コロナ禍で導入された雇用調整助成金(雇調金)の特例措置を巡り、社会保険労務士(社労士)による不正関与が相次いでいます。読売新聞のまとめによると、2022~2024年度の3年間で少なくとも64人の社労士が関与し、不正受給総額は約11億円。刑事事件に発展したケースも確認されています。政府は迅速な支援のために申請手続きを簡素化しましたが、それが「雇調金バブル」を生み、不正の温床となりました。
不正の手口と深刻な実例
報酬目当てに企業へ不正を指南するケースや、偽造書類を提出する事案が多発しました。
・元社労士の女性は企業に「社員の給料を全てもらえる」と持ちかけ、約3250万円を不正受給。懲役4年6か月の実刑が確定。
・三重労働局の非常勤職員だった社労士の男性は偽造申請で220万円を詐取、執行猶予付き有罪判決。不正関与額は総額8000万円超とされます。
こうした事例は「国家資格と専門知識を悪用した」として厳しく批判されています。
自浄作用への期待と課題
厚労省や労働局は不正が確認された社労士の氏名公表や処分を進めていますが、現場では「不備がなければ支給せざるを得ない」という制度上の限界も指摘されています。全国社会保険労務士連合会は倫理研修の義務化を進めていますが、受講率が100%に達しない課題も残ります。
昭和女子大の八代尚宏教授は「不正受給額の3倍返還など、ペナルティー強化を検討すべき」と提言しています。
雇用クリーンプランナーの視点から
社労士は企業の労務管理を支える専門家である一方、制度設計の隙を突けば「不正の指南役」に転じるリスクもあります。
・制度の簡素化と不正防止のバランスをどう取るか
・専門職への倫理教育と透明性の確保
・被害を受けた制度利用者や納税者への説明責任
雇用クリーンプランナー(KCP)の立場からは、「専門知識は社会的信頼とセットである」という原則を徹底することが不可欠です。信頼が揺らげば、正しい制度利用者まで疑われる負の連鎖が広がります。
まとめ──「支援」と「不正」の境界をどう守るか
雇調金は、コロナ禍で雇用を守る最後の砦でした。その制度を逆手に取った不正は、労働政策そのものへの信頼を揺るがします。あなたの組織でも「制度の隙間」を安易に利用していないでしょうか。支援の仕組みを守るには、厳格なルールと倫理意識、そして透明なチェック体制が不可欠です。
