2025.11.27
東京・港区が「カスハラ専門窓口」を新設──元警察官ら常駐で区役所職員を守る新体制|一般社団法人クレア人財育英協会
【出典】朝日新聞(2025年11月22日配信)
東京・港区、区役所に「カスハラ」専門窓口 元警察官ら常駐へ
半数以上がカスハラ経験、港区が「安心対応サポート室」を新設
東京都港区は、区役所窓口でのカスタマーハラスメント(カスハラ)対策として、2026年2月に専門窓口「安心対応サポート室」を新設します。
昨年11月の職員アンケートでは、半数以上がカスハラを経験、「目撃したことがある」を含めると7割超。
カスハラを原因とした休職者も出ており、区は従来のマニュアルやポスター掲示に加え、専門体制の必要性を認めました。
元警察官らが常駐、相談・同席・鎮静化を担当
新設されるサポート室には、民間委託された元警察官などのスタッフが常駐し、職員からの相談対応や窓口での同席を行います。
来庁者の身柄を押さえるのではなく、「窓口の運営が困難な状況の鎮静化」が役割です。
近年は、窓口対応を撮影した動画がSNSに投稿されるケースもあり、区担当者は「職員だけの対応には限界がある」と話しています。
苦情の萎縮を招かない工夫も課題
清家愛区長は会見で「取り組みを周知することでカスハラ抑止につなげたい」とする一方、
区民から「苦情や要望を言いづらくなるのでは」との懸念に対し、「誤解を招かないよう、周知の方法や内容を十分工夫する」と述べました。
カスハラ防止と、区民の正当な声を保障することの両立が今後の焦点です。
雇用クリーンプランナー(KCP)の視点──「守られているからこそ言える窓口」へ
公務現場のカスハラは、職員のメンタル不調や離職につながり、行政サービスの質低下を招きます。
KCPは、港区の取り組みを「職員の心理的安全性を確保する一歩」と評価しつつ、以下の三点を提言します。
① 記録とルールのセット運用
録音・記録とともに、対応基準やエスカレーションフローを明文化し、現場判断の負担を減らす。
② 区民への「相談歓迎」のメッセージ発信
「厳しくする」のではなく、「暴言はNG、要望は歓迎」というメッセージを繰り返し発信する。
③ 職員の心のケアと研修
カスハラ対応で消耗した職員に対するメンタルケアと、対話スキルを高める研修をセットで行う。
声を上げやすく、働きやすい窓口づくりへ
区民の声は行政を良くする資源であり、職員の尊厳はそれを受け止める土台です。
KCPは、「言いやすさ」と「働きやすさ」が両立する窓口づくりを通じて、カスハラのない公共サービスの実現を後押ししていきます。
