2026.02.04
ハラスメントの種類一覧 定義・具体例・判断基準と職場対策まで徹底解説|一般社団法人クレア人財育英協会
会議で声を荒げられた部下が黙り込む。
周りも笑えなくなる。
本人は指導のつもりで、悪意はないと言う。
でも受け手は、翌日から体が重くなる。
こうした場面のあと、人は検索窓に言葉を打ち込みます。
「ハラスメント 種類」「ハラスメント 一覧」。
けれど本当に知りたいのは、名前ではありません。
これは指導だったのか、それとも越えてしまったのか。
その線を、自分はどこで引くべきだったのか。
一般社団法人クレア人財育英協会として、本記事は「一覧で終わらせない」ために、定義、具体例、該当しない可能性がある例、判断基準、組織の対策までを整理します。
目次
ハラスメントとは まず定義を置く
一覧の前に定義です。
定義は、現場の揉め事を止めるための共通言語です。
誰かの気分や世論ではなく、判断の手すりになります。
パワーハラスメント(パワハラ)定義 3要素
職場のパワハラは、一般に次の三つの要素で整理されます。
- 優越的な関係を背景とした言動
- 業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動
- 就業環境が害される
怒鳴ったかどうかより、抵抗できない関係で、必要性と相当性を超え、働くことに支障が出たかという構造を見ます。
セクシュアルハラスメント(セクハラ)定義
意に反する性的な言動により、労働条件の不利益が生じたり、就業環境が不快になったりする状態を指す整理が一般的です。
意図の善悪より、受け手が拒否しにくい関係や状況があるかが争点になります。
マタニティハラスメント(マタハラ)と育児介護ハラスメント 定義
妊娠、出産、育児休業や介護休業等の制度利用や状態をめぐる言動で、就業環境が害される状態が焦点になります。
ここでは「制度があるのに使えない」空気が最大のリスクになります。
職場のハラスメント 種類一覧
ここから「ハラスメント 一覧」として、職場で問題になりやすい類型を整理します。
ポイントは、種類名を覚えることではありません。
同じ言葉でも、関係性と状況で重さが変わる点を外さないことです。
1. パワーハラスメント(パワハラ)種類一覧 6類型
パワハラは、代表例として次の六つに整理されることが多いです。
- 身体的な攻撃
- 精神的な攻撃
- 人間関係からの切り離し
- 過大な要求
- 過小な要求
- 個の侵害
六類型は便利ですが、これだけがパワハラだという限定列挙ではありません。
類型は、現場の判断を軽くするためではなく、迷ったときに立ち戻る棚として使います。
身体的な攻撃
叩く、蹴る、物を投げるなど、身体への直接的な侵害が中心です。
一回でも深刻になり得ます。
精神的な攻撃
人格否定、罵倒、長時間の叱責、皆の前でのさらし上げなどが代表例です。
指導の名を借りて、相手の尊厳を削る方向に進んだ瞬間に線を越えます。
人間関係からの切り離し
挨拶を返さない、会議から排除する、情報共有から外すなどが典型です。
仕事を奪うのではなく、関係を奪う攻撃です。
過大な要求
明らかに達成不能なノルマ、期限、品質を一方的に課すケースです。
忙しさそのものではなく、合理性のない押し付けが問題になります。
過小な要求
能力や経験に不釣り合いな単純作業だけを与える、仕事を取り上げるなどが含まれます。
表面上は優しさに見える場合があるので厄介です。
個の侵害
私生活の過度な詮索、SNS監視、プライバシーへの踏み込みなどが中心です。
職場の境界線が薄いほど起きやすい類型です。
2. セクシュアルハラスメント(セクハラ)種類一覧 対価型と環境型
セクハラは、形として次の二つで整理されることが多いです。
- 対価型セクシュアルハラスメント
- 環境型セクシュアルハラスメント
対価型
拒否や抵抗を理由に、解雇、降格、不利益な配置転換などが示唆される状況です。
言動そのものより「拒否できない構造」が主役になります。
環境型
性的な発言、身体接触、視線、画像の共有などにより、職場が不快になり能力発揮が妨げられる状況です。
冗談のつもりでも、反復と逃げにくさが重なると一気に環境が崩れます。
3. マタハラ 種類一覧 妊娠 出産 育児休業 介護休業
妊娠、出産、育児、介護は、制度があるのに使えない空気が生まれやすい領域です。
そのため「制度利用」と「状態」を軸に整理します。
制度等の利用への嫌がらせ型
育児休業や介護休業を取ると言った途端、評価を下げる、暗に退職を促す、同僚に悪者扱いさせるなどです。
正面から禁止すると表に出ないので、周辺の言動に出ます。
状態への嫌がらせ型
妊娠中だから任せられないとして雑用に寄せる、突然の契約打切りを示唆するなどが典型です。
配慮という言葉が、排除にすり替わる瞬間が危険です。
4. カスタマーハラスメント(カスハラ)種類一覧
カスハラは「正当な苦情」との線引きで必ず揉めます。
ここで見るべきは、要求内容より態様です。
暴言、威嚇、長時間拘束、土下座要求、過度な謝罪の強要、SNS晒しの示唆など、社会通念上許容しがたい形で相手を追い詰める言動が中心になります。
苦情が存在することと、やり方が許されることは別です。
5. 就活セクハラ 求職者等に対するセクシュアルハラスメント
採用の場は、評価を握る側と、合否を待つ側の非対称が極端です。
そのため、雑談や面談の延長に見える言動が、拒否困難の構造によって重くなります。
インターン、OB訪問、リクルーター面談など、正式面接の外側で発生しやすい点が特徴です。
通称ハラスメントの一覧
検索では、法律上の代表類型以外に、通称の呼び名が大量に使われます。
これらは厳密な法的名称というより、現場の痛みを言語化するラベルです。
ラベルは便利ですが、貼った瞬間に思考が止まる危険もあります。
- モラルハラスメント(モラハラ)
- アカデミックハラスメント(アカハラ)
- エイジハラスメント(エイハラ)
- アルコールハラスメント(アルハラ)
- ジェンダーハラスメント(ジェンハラ)
- スメルハラスメント(スメハラ)
- リモートハラスメント
- マリッジハラスメント
- パタニティハラスメント(パタハラ)
通称を使うときは「誰が」「どの関係で」「どの拒否困難があり」「どんな不利益や環境悪化が生じたか」に戻して整理します。
ハラスメント 判断基準とグレーゾーン
ここが、検索の最終目的地です。
一覧を見た後に残るのは「結局、自分の事案はどっちか」です。
迷ったときの判断順序を、チェックリストとして置きます。
- 優越的な関係か。拒否しにくい構造があるか。
- 業務目的か。説明できる目的があるか。
- 必要性はあるか。目的達成に本当に必要か。
- 相当性はあるか。頻度、継続、公開性、言葉遣い、代替手段の有無で過剰になっていないか。
- 就業環境への影響はどうか。能力発揮が妨げられる程度の支障が出ていないか。
- 記録できるか。日時、場所、発言、周囲の状況を再現できるか。
グレーゾーンは、善悪が曖昧なのではなく、目的と手段の釣り合いが崩れかけている状態です。
だから「もっと強く言えば伝わる」は、だいたい逆に転びます。
ハラスメント対策 組織が講ずべき措置
ハラスメント対策は、ポスターや研修だけでは足りません。
職場の摩擦を、個人の性格問題に押し戻さないための制度設計です。
1. 方針の明確化と周知
何が禁止で、何が許容される業務指導かを、文章で明確にします。
禁止だけを書くと、現場は沈黙します。
指導のやり方の型まで示すことで、言えなくなる副作用を減らします。
2. 相談窓口の整備
窓口は「相談した時点で守られる」感覚を提供できなければ機能しません。
秘密保持、プライバシー、相談したことによる不利益取扱いの禁止を明文化します。
窓口担当者の聞き方が、二次被害を生むこともあります。
3. 調査と事実確認
調査は断罪のためではなく、再発を止めるために行います。
当事者の記憶は揺れます。
日時、場所、言動、周囲の反応、前後の業務状況を淡々と積み上げます。
4. 再発防止
再発防止は「注意してね」では終わりません。
評価制度、目標設定、会議設計、情報共有の仕組みなど、摩擦が生まれる地点を修正します。
個人の反省を頼りにするほど、同じことが起きます。
5. 外部対応 カスハラへの備え
顧客対応の現場には、正当な苦情と、許容されない言動の両方があります。
現場に全てを背負わせると、離職で支払うことになります。
対応基準、エスカレーション、録音録画や記録、警察相談を含む対応手順を事前に決めておきます。
よくある質問
Q1. 一回でもハラスメントになりますか。
なり得ます。
強い言動や身体的侵害のように、単発でも就業環境を大きく害するケースがあります。
逆に、単発で軽微に見えても、関係性と反復で線を越える場合もあります。
Q2. 指導とパワハラの違いは何ですか。
目的と手段の釣り合いです。
業務目的があり、必要性があり、相当な範囲に収まっているなら指導です。
相当性が崩れ、相手の尊厳や就業環境を壊し始めたらパワハラに寄ります。
Q3. 受け手が嫌だと言ったら全部ハラスメントですか。
受け手の感覚は出発点ですが、結論ではありません。
関係性、拒否困難、業務必要性、相当性、環境影響をあわせて判断します。
ただし、受け手が嫌だと言えたこと自体が、珍しい職場もあります。
Q4. セクハラは冗談でも成立しますか。
成立し得ます。
冗談かどうかより、拒否しにくい状況で、反復され、就業環境が不快になったかが焦点になります。
Q5. 相談窓口を置けば解決しますか。
置くだけでは解決しません。
相談した人が守られる設計、調査の手順、再発防止の意思決定ルートが揃って初めて機能します。
最後に
「ハラスメント 一覧」が伸びるのは、社会が繊細になったからだけではありません。
職場が、判断の責任を個人に押し戻しているからです。
一覧は、現実の摩擦に名前を付けてくれます。
でも、名前を付けた瞬間に思考が止まるなら、その一覧は毒にもなります。
あなたの職場で、線引きが必要になったとき、その責任は誰が引き受ける設計になっていますか。
