2025.09.27

「ご苦労様」が減り「ありがとう」が増加──文化庁調査で見えた上下関係とハラスメント意識の変化

【出典】日本経済新聞(2025年9月26日配信)
部下への声がけ「ご苦労様」減り「ありがとう」増 上下関係を忌避?

「ご苦労様」の使用が激減

文化庁が公表した「国語に関する世論調査」によると、会社で部下に仕事後の声かけとして「ご苦労様」と答えた人は2005年度の36%から、2024年度には15%に減少しました。代わって「お疲れ様」が71%と最多で、1.3倍に増加。「ありがとう」も11%と倍増しています。

敬語指針と上下関係の意識

2007年の文化庁「敬語の指針」では、「ご苦労様」は上位者から下位者に向けた表現であり、目上の人には使わない方がよいとされてきました。その影響もあり、「ご苦労様」を使うことで上下関係を意識させるのを避ける傾向が強まったと分析されています。
文化庁はまた「ご苦労様」が「自分が上、あなたが下」というメッセージとして受け取られる懸念があり、使用を控える人が増えていると指摘しました。

ハラスメント意識の高まりも影響

社会全体でハラスメントへの意識が高まっていることも、言葉の選択に影響している可能性があります。相手に威圧感を与えたり、立場の上下を強調する表現を避ける動きが強まり、「ありがとう」といったフラットな言葉が広がっているのです。

雇用クリーンプランナーの視点から

雇用クリーンプランナー(KCP)の視点では、この変化は「言葉の力」が人間関係や職場文化に直結していることを示しています。
・上下関係を強調する表現は、ハラスメントと結びつきやすい
・ねぎらいの言葉も「権力関係」ではなく「相互の尊重」として使うべき
・組織文化を変える一歩は、日常的な声かけから始まる

「ありがとう」の増加は、職場でのフラットな関係づくりへの社会的シフトを象徴しています。

まとめ──言葉が映す職場の未来

「ご苦労様」から「ありがとう」へ。この変化は単なる言葉遣いの流行ではなく、上下関係の再定義とハラスメント意識の浸透を示しています。
あなたの職場では、どんな言葉が日常的に使われていますか。何気ない一言が、職場文化を形づくる大きな要素になっているのです。

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