2025.12.10
福間香奈女流六冠が「妊娠・出産とタイトル戦規定」の見直し訴え──「タイトルか出産か」の二択に将棋界の未来へ不安
【出典】TBS NEWS DIG(毎日放送/2025年12月10日配信)
福間女流六冠が会見「将棋界の未来に強い不安」 妊娠・出産に関するタイトル戦の規定変更を訴え 将棋連盟は「不安抱かせお詫び…柔軟に当事者の意思に沿える仕組みを検討中」とコメント
妊娠・出産期と重なるとタイトル戦に出られない現行規定
日本将棋連盟は、女流タイトル戦に臨む棋士が妊娠した場合、対局日程が出産予定日から産前6週〜産後8週のいわゆる「産前産後休業期間」と1日でも重なれば日程変更には応じず、タイトル戦出場は不可とする規定を設けています。
一児の母であり、8つのうち6つのタイトルを保持する福間香奈女流六冠(33)は、このルールが「タイトルか出産か」の二者択一を女性棋士に迫っているとして、公開の場で見直しを訴えました。
福間女流六冠「将棋界の未来に強い不安」
会見で福間女流六冠は、「妊娠をしてしまったら、タイトルか出産かを選択しなければならず、将棋界の未来に強い不安があります」とコメント。
妊娠・出産期にタイトルを保持していること自体が、不利益やキャリア中断につながる現状に問題意識を示しました。
その上で、タイトル戦の日程を柔軟に動かすなど、当事者の意思を尊重した運用への変更を求めました。
日本将棋連盟は「不安を抱かせおわび」 柔軟な仕組みを検討中
日本将棋連盟は取材に対し、「不安を抱かせてしまい、お詫び申し上げる」とコメント。
現行規定が、妊娠・出産を望む女流棋士に心理的な負担を与えていることを認めつつ、「柔軟に当事者の意思に沿える仕組みを検討している」として、ルールの見直しを進めていると説明しました。
具体的な制度案は今後の協議となりますが、将棋界全体の働き方・あり方を問うテーマとして注目を集めています。
雇用クリーンプランナー(KCP)の視点──「産むなら諦めて」から「産んでも続けられる」制度へ
今回の問題は、個別のタイトル戦規定にとどまらず、仕事と妊娠・出産の両立をどう支えるかという、あらゆる職場に共通するテーマです。
KCPは、次の3点が将棋界だけでなく社会全体の論点だと考えます。
① 安全確保を前提にした「日程の柔軟化」
医療的に安全が確保されることを前提に、局数の分散や対局日の前倒し・後ろ倒し、短期間のタイトル保持権の凍結など、柔軟な日程調整の選択肢を準備することが考えられます。
② キャリア中断を前提としない権利設計
妊娠・出産を理由にタイトルを失うのではなく、休止中の権利保全や「代理対局」「復帰後の挑戦権付与」など、キャリアの連続性を担保する制度設計が重要です。
③ 当事者と一緒にルールをつくるプロセス
机上の安全配慮ではなく、現役女流棋士や経験者の声を反映したルールづくりが欠かせません。
現場の知恵と当事者の希望を軸に、「何を守りたいのか」を対話しながら制度を整えることが、長期的な信頼につながります。
才能も、子どもも、人生もあきらめなくていい将棋界へ
妊娠・出産を理由に「盤から降りる」ことを迫られる環境では、若い世代は将棋を職業として選びにくくなります。
福間女流六冠の問題提起は、「強さ」と「暮らし」の両立をどう実現するかという問いでもあります。
KCPは、将棋界を含むあらゆる専門職が「人生のどのタイミングでも、安心して働き続けられる」仕組みづくりを後押ししていきます。
