2025.12.12
長野・岳南広域消防組合でパワハラ処分──「使えねえな」と大声叱責、頭を叩く行為で部下が長期休職|一般社団法人クレア人財育英協会
【出典】SBC信越放送(2025年12月11日配信)
大声で𠮟責し「使えねえな」部下へのパワハラで50代の消防職員2人を減給と戒告の懲戒処分 部下は3か月と11か月の休職 通報窓口に申し出て発覚 長野・中野市・岳南広域消防組合
50代消防司令2人を懲戒処分、部下2人は長期の療養休暇・休職
長野県中野市に本部を置く岳南広域消防組合で、部下へのパワーハラスメントがあったとして、50代の男性消防司令と消防司令補の2人が懲戒処分を受けました。
2025年11月の懲戒審査で、消防司令は減給10分の1(1か月)、消防司令補は戒告とされました。
いずれの事案でも、被害を受けた職員は3か月〜11か月に及ぶ療養休暇・休職を余儀なくされています。
事案1:大声の威圧的叱責と「使えねえな」発言で11か月休職
消防司令の事案では、2021年4月に部下へ大声で威圧的な叱責を行い、同年6月には「使えねえな」と人格を否定する発言をしたうえで、再び大声で叱責していました。
叱責を受けた職員は2022年2月から3か月間の療養休暇を取得し、その後同年12月末まで計11か月休職。復職後の2023年12月に、消防組合の通報窓口へ書面で申し立てを行い、事案が明らかになりました。
証拠が不十分として再調査が行われるなどし、最終的な処分決定まで時間を要したとされています。
事案2:訓練中にヘルメット越しに頭を叩き、部下は3か月療養休暇
消防司令補の事案では、2024年8月の訓練中、ロープ結索を誤った部下に対し、ヘルメットの上から頭を叩く行為がありました。
頭を叩かれた職員は、2024年12月に通報窓口へ書面で申し立てた後、2025年1月から3か月間の療養休暇を取得しています。
監督責任として署長ら6人も口頭厳重注意、消防長が再発防止を表明
2つの事案では、いずれも上司が不適切行為を見逃したとして、当時の署長と署長補佐計6人が口頭厳重注意を受けました。
岳南広域消防組合の柴本賢司消防長は、「消防職員として決してあってはならない行為が生じたことを重く受け止める」とコメントし、職員教育の徹底と組織体制の見直しによる再発防止と信頼回復に努めると表明しています。
雇用クリーンプランナー(KCP)の視点──「指導」と称した威圧・叩打をゼロにするために
消防の現場は緊張度が高く、厳しい指導が必要とされますが、「大声」「人格否定」「頭を叩く」といった行為は、いかなる理由があっても指導ではなくハラスメントです。
KCPは、類似事案を防ぐために、次の三点を提言します。
① 指導とパワハラの線引きを明文化
叱責時の言葉遣い、声量、身体的接触について、具体的な禁止事項を就業規則・指導マニュアルに明記し、全職員に周知します。
② 通報窓口と調査のスピードアップ
通報があってから処分まで数年を要したことも問題です。
通報→一次対応→調査→結果公表の期限とフローを定め、長期化による二次被害を防ぐ仕組みが必要です。
③ メンタルケアと教育をセットで行う
被害者の心身ケアはもちろん、加害者・管理職も含めて、感情マネジメントとリーダーシップ研修を継続的に実施することが重要です。
緊張度の高い現場ほど、「怒鳴らない・叩かない」指導へ
消防・警察・医療などの現場では、「命を守るための厳しさ」が必要と言われます。
しかしその厳しさは、怒鳴ることでも、叩くことでもありません。
KCPは、現場の安全と職員の尊厳を両立させる「ハラスメントなき指導文化」への転換を、制度と教育の両面から支援していきます。
