2025.12.12
カスハラ対策が来年10月から義務化へ──厚労省が指針案、公正な苦情と暴力的クレームの線引きを明示|一般社団法人クレア人財育英協会
【出典】テレビ朝日(2025年12月配信)
カスハラの対策来年10月に義務化へ 客とのやり取り録画など指針案 厚労省
カスタマーハラスメント対策、2026年10月1日から全企業で義務に
厚生労働省は、顧客などによるカスタマーハラスメント(カスハラ)から従業員を守るための改正法について、2026年10月1日施行とする方針を示しました。
今年6月に法改正が行われ、企業にカスハラ対策を義務付けることが決定。これを受け、厚労省は今月10日、具体的な対応を示したガイドライン案を専門家会議に提示しました。
大声での威圧、SNSでの「晒し」もカスハラに該当
指針案では、カスハラの具体例として次のような行為が挙げられています。
- カウンター越しに大声を上げて威圧する
- 「SNSに書くぞ」と投稿をほのめかして脅す
- 実際にSNSなどへ従業員のプライバシー情報を投稿する
これらは、従業員に著しい恐怖や精神的負荷を与える行為として問題視され、刑事事件や損害賠償に発展する可能性があることも指摘されています。
企業に求められる対策──「一人にさせない」「録音・録画で守る」
ガイドライン案は、企業・自治体が整えるべき対策の例として、次のようなポイントを示しています。
- クレーム対応を従業員一人に任せず複数で支える
- 客とのやり取りを録音・録画し、後から検証できるようにする
- 対応方法やエスカレーション手順を定めた社内マニュアルの整備
厚労省は、これらを参考に事業者ごとの実情に合わせた対策を取るよう呼びかけています。
雇用クリーンプランナー(KCP)の視点──「正当な苦情」と「カスハラ」の線引きを現場で運用する
法改正と指針案は、カスハラ対策の最低ラインを示すものであり、現場運用の質が問われます。
KCPは、次の三点が実効性を左右すると考えます。
① 証拠の記録と、従業員を一人にしない体制
録音・録画により事実を残し、常に複数対応を基本とすることで、従業員を孤立させない仕組みが重要です。
② 「正当なクレームは歓迎、暴力的要求はお断り」のメッセージ
企業側は、サービス向上のための意見は歓迎しつつ、暴言・脅し・個人攻撃は受け入れないという方針を明確に示す必要があります。
③ 教育とメンタルケアのセット運用
現場には、カスハラ対応スキルとセルフケアの両方が求められます。研修・相談窓口・専門家のサポートを一体で設計することが欠かせません。
苦情は「伝え方」次第で、ハラスメントにも資源にもなる
不満や改善要望は、企業や行政にとって貴重な情報です。
しかし、その伝え方が暴力的になった瞬間、働く人の心と職場の信頼を傷つけるカスハラに変わります。
KCPは、企業や自治体が「従業員を守りながら、正当な苦情にはきちんと向き合う」バランスの取れた仕組みづくりを支援していきます。
