2025.11.20
自治体職員の半数が“電話カスハラ”を日常経験──人格否定・脅迫・2時間拘束も、深刻な実態が浮き彫りに|一般社団法人クレア人財育英協会
【出典】毎日新聞(2025年11月19日配信)
日常化する暴言に疲弊する自治体職員 電話カスハラ実態調査
「人間失格だ」「誰のおかげで食っていると思っているのか」──電話越しの暴言が日常化
名古屋市の迷惑電話防止アプリ開発会社「トビラシステムズ」が10月に実施した調査で、電話を通じたカスタマーハラスメント(カスハラ)の深刻な実態が明らかになりました。
対象は自治体・民間企業の職員計967人。最も多かった被害は暴言・罵倒(53.1%)で、「使えない」「頭弱い」などの人格否定に加え、脅迫めいた発言も多数確認されました。
自治体職員は“毎日発生”が18.8%、民間の約5倍
電話カスハラの発生頻度では、民間企業の24.4%に対し、自治体職員は54.3%と約2倍に上りました。
中でも「毎日」と回答した自治体職員は18.8%で、民間(3.3%)の約5倍。
きっかけは行政不祥事や新施策の発表、熊の駆除報道などでしたが、「きっかけなく常に発生」との回答も約3割にのぼりました。
2時間以上の電話拘束、不当な謝罪要求…心身の不調も深刻
調査では2時間以上電話を切ってもらえない、謝罪を強要されるなどの事例も判明。
心身への影響も深刻で、カスハラが原因で通院・服薬した自治体職員は17.6%、休職は11.8%、退職は9.8%に達しました。
民間よりも自治体の方が被害度が大幅に高い結果となっています。
公共性の高い現場は「逃げ場が少ない」──構造的な問題が背景に
調査会社の担当者は、「公務の現場は逃げ場がなく、電話カスハラが慢性化しやすい」と指摘。
住民対応の公共性・責任の重さ・業務負荷の高さが重なり、精神的ダメージが蓄積されやすい構造が浮かび上がっています。
雇用クリーンプランナー(KCP)の視点──自治体の“心理的安全性”を守る仕組みが急務
KCPは、電話カスハラの深刻さを踏まえ、行政機関では職員保護の制度化が不可欠だと考えます。以下の三点を提言します。
① すべての通話を録音し、対応履歴の一元管理
暴言・脅迫の録音・記録を徹底し、対応者を守る仕組みを標準化。
② コールセンターの外部委託・専門窓口の整備
元警察官などを含む専門スタッフを配置し、一次対応の負担を軽減。
③ メンタルケア・休暇制度を明確化
被害後の心理支援・相談窓口を整備し、休職・復帰支援も制度化。
結語:公共サービスを守るために、職員の心を守る
行政を支えるのはシステムではなく、現場で対応する「人」です。
その人たちが安心して働ける環境を整えることは、住民サービスの質を守ることでもあります。
KCPは、全国の自治体がカスハラのない公共窓口を実現できるよう、制度設計と文化改善の両面から支援していきます。
