2025.10.22
医療現場での性暴力──尼崎のクリニック院長を逮捕、「信頼」を裏切る行為をどう防ぐか
【出典】MBSニュース(2025年10月22日配信)
【速報】クリニック院長を逮捕 女性患者に薬剤のようなもの投与し、準強制性交の疑い 兵庫・尼崎市
63歳の院長を準強制性交容疑で逮捕
兵庫県尼崎市の耳鼻咽喉科クリニック院長、瀬尾達容疑者(63)が準強制性交の疑いで逮捕されました。
警察によると、瀬尾容疑者は5年前、自身のクリニックで28歳の女性患者に薬剤のようなものを投与し、抵抗できない状態にして性的暴行を加えた疑いがもたれています。
容疑者は調べに対して「今は覚えていません」と容疑を否認。
今年7月には、同じ建物内の薬局から糖尿病治療薬「リベルサス7mg」20錠を盗んだとして窃盗容疑で逮捕されており、その捜査過程で今回の性暴行容疑が浮上しました。
医療現場に潜む「権力と密室」の構造
医療機関での性暴力事件は、患者が「信頼関係の中で身を委ねる立場」にあることから、通常の性的加害とは異なる深刻な構造的問題を抱えています。
患者は医師の判断を信頼し、身体的接触や投薬を受け入れる立場にあります。その関係を悪用した行為は、信頼関係を破壊し、医療全体への不信を生む重大な人権侵害です。
過去にも、産婦人科・整形外科・美容医療などで、患者の同意を得ない身体接触や投薬を伴う性加害事件が繰り返されています。
こうした事件の多くは、「治療の一環」「薬の副作用」などと説明され、患者自身が異変を訴えにくい構造を持ちます。
雇用クリーンプランナー(KCP)の視点──医療現場のハラスメント防止を「制度設計」に
雇用クリーンプランナー(KCP)は、医療現場での性暴力を**「個人の逸脱行為」ではなく「制度の不備による構造的暴力」と捉えています。密室性・権威性・上下関係という3つの要因が重なり、行為の発覚や被害申告を困難にしているからです。
KCPは次の3つの対策を提言します。
① 施術・診療時の「第三者立ち会い制度」の義務化
身体的接触を伴う診療・処置では、同姓スタッフの立ち会いを義務づけることが再発防止の基本です。
② 医療機関内でのハラスメント相談ルートの設置
患者だけでなく、職員も通報できる匿名相談窓口を整備し、外部の弁護士や社労士がチェック機能を果たす仕組みを導入する必要があります。
③ 医療従事者の倫理教育と組織監査の強化
医療機関の管理者に対し、「医療倫理と人権」研修を定期的に実施。内部監査では、診療記録の適正管理・薬剤投与履歴の透明化を求めることが重要です。
信頼を取り戻すために──「密室を開く医療」へ
医療は、信頼の上にしか成り立ちません。
しかしその信頼を裏切る行為が繰り返されるたびに、真摯に働く多くの医療従事者までが傷つきます。
医療現場の“密室性”をいかに開き、患者と従事者がともに安心できる環境をつくるかが、いま社会全体に問われています。
KCPは、医療・介護・教育など人のケアに関わる領域において、「権力の構造」そのものを見直す仕組みづくりを推進していきます。
