2025.10.10

鳥取大学にパワハラ損害賠償命令──元契約職員が提訴、鳥取地裁が一部認定し50万円支払い命令

【出典】共同通信(2025年9月25日配信)
パワハラで鳥取大に賠償命令 元契約職員が被害、一部認定

鳥取大学のパワハラ訴訟、地裁が一部認定

鳥取大学の元契約職員の女性(61)が上司からのパワーハラスメント(パワハラ)行為によって精神的苦痛を受けたとして、大学を相手に500万円の損害賠償を求めた訴訟で、鳥取地裁米子支部(三島琢裁判長)は9月25日、大学に50万円の支払いを命じる判決を言い渡しました。

判決によると、女性は鳥取大学医学部附属病院(鳥取県米子市)で2015年4月から2017年3月まで勤務。在職中、教授ら上司から威圧的な発言や事実無根の注意を繰り返し受けたと主張していました。

裁判所は、10件の訴えのうち5件をパワハラと認定し、「教授の発言は原告に不当に精神的苦痛を与えた」と指摘。一方で、残る5件は「業務上の指導の範囲を逸脱していない」と判断しました。

大学職場でも深刻化するパワハラ問題

大学・研究機関におけるパワハラ問題は全国的に増加しています。教授や上位職が強い権限を持つ環境では、職員や研究員が声を上げにくく、上下関係を背景にしたハラスメント構造が温存されやすいと指摘されています。
文部科学省によると、2024年度には大学・研究機関でのハラスメント相談が過去最多を記録。特に「威圧的な指導」「人格を否定する言動」「不当な評価」など、精神的圧力型のパワハラが目立ちます。

雇用クリーンプランナーの視点──組織の“教育と権力”を再設計する時

雇用クリーンプランナー(KCP)の観点から見ると、大学におけるパワハラ問題は「研究者の権威」と「教育機関としての倫理」のバランス崩壊が背景にあります。
・上位職による“教育的指導”が、精神的支配に変質していないかを点検すること
・ハラスメント防止研修を“形式”で終わらせず、倫理教育と組織評価に結びつけること
・内部通報制度を強化し、被害者が孤立しない仕組みを作ること

KCPは、大学・行政・企業を問わず「組織内の力関係を可視化し、尊重に基づく指導文化へ転換すること」が最も重要だと強調しています。

まとめ──“教育の場”を“圧力の場”にしないために

鳥取大学のパワハラ訴訟は、教育機関にも問われる“組織の責任”を明確にしました。
「教育」「研究」「管理」の名を借りたパワハラは、職員や学生の尊厳を奪い、学問の自由さえも損ないます。
大学という知の現場だからこそ、「権力ではなく敬意で導く」文化改革が求められています。

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