2025.10.07
三重県が全国初の「罰則付きカスハラ防止条例」制定へ──長時間の謝罪要求などを「特定カスハラ」に規定
【出典】読売新聞(2025年10月7日配信)
カスハラを根絶、三重県が罰則付き条例制定へ…成立なら全国初・大声で長時間の謝罪要求など特定行為に
三重県が全国初の「罰則付きカスタマーハラスメント防止条例」を検討
三重県は、顧客による理不尽な要求や暴言などの**カスタマーハラスメント(カスハラ)**を根絶するため、罰則付きのカスハラ防止条例を制定する方針を固めました。条例が成立すれば、罰則規定を伴うカスハラ防止条例は全国で初となります。
県は「社会通念上、相当な範囲を超えた著しい迷惑行為で、就業者の就業環境を害するもの」をカスハラと定義。その中でも特に悪質な行為を「特定カスハラ」として区別します。
該当する行為には、
・正当な理由なく長時間にわたり大声を発する
・不当な利益供与を求める
・繰り返し謝罪や面会を要求する
などが含まれます。
これらの行為に対し、知事が「禁止命令」を出し、それに従わなければ罰金などの行政罰を科す方針です。
特定カスハラを可視化、刑法で扱えない迷惑行為を対象に
三重県の担当幹部によると、「刑法や県の迷惑防止条例では取り締まりが難しい悪質な行為」を特定カスハラとして位置づけることで、被害を受けた事業者や従業員を守る狙いがあります。
事業者の申し出を受け、県が設置する「カスハラ防止対策審査会」が調査を行い、知事が禁止命令を出すかどうか判断します。
県は検察庁と協議を進めており、10月中旬にも条例案を議会に提示。2026年度の施行を目指します。
背景に広がる「職場のカスハラ被害」
小売・医療・行政など、顧客対応の最前線で働く人々がカスハラによる心身の疲弊を訴えるケースは全国的に増加。長時間のクレーム対応や暴言、SNSでの晒し行為などが問題化しており、企業・自治体でのカスハラ防止マニュアル整備や職員保護策が急務となっています。
専門家は「罰則規定を明確にすることで、被害者が声を上げやすくなる」と指摘する一方、「正当な意見との線引きも丁寧に議論する必要がある」とも述べています。
雇用クリーンプランナーの視点──“罰則”よりも“文化”の定着へ
雇用クリーンプランナー(KCP)の観点では、罰則付きカスハラ防止条例は「従業員保護のための制度的盾」であると同時に、社会全体の意識転換を促す文化的ツールでもあります。
・罰則があることで抑止力が働く
・被害報告の可視化が進み、企業の予防対策が進む
・同時に「顧客第一」文化を“尊重と対話”へ進化させることが重要
KCPは「罰則による強制」だけでなく、「職場の安全文化を育てる教育・対話」を重視しています。罰則と啓発が両輪で機能するとき、真に“クリーンな雇用社会”が実現します。
まとめ──罰則付きカスハラ防止条例は社会の転換点
三重県の取り組みは、これまで“泣き寝入り”するしかなかったカスタマーハラスメント被害を法的に救済する大きな一歩です。
今後、他の自治体や企業も「従業員を守る条例・マニュアル整備」に踏み出すことが期待されます。罰則が示すのは恐怖ではなく、「働く人を守る社会をつくる覚悟」です。
