2025.10.06

東京都が「保護者カスタマーハラスメント」対策を検討──教員の心身不調・退職が深刻化、カスハラ防止条例を契機に

【出典】共同通信(2025年10月5日配信)
保護者カスハラ、東京都対策検討 教員負担重く、条例契機

教育現場で深刻化する「保護者カスタマーハラスメント」

東京都は、保護者による教員への暴言や理不尽な要求など「保護者カスタマーハラスメント(カスハラ)」対策の検討を進めています。2025年4月に全国初の「カスタマーハラスメント防止条例」を施行した東京都では、教育現場における過度なクレームや脅迫的行為が教員の心身の健康を脅かし、退職や休職に追い込まれる事例が相次いでいます。

都教育委員会が実施した調査では、公立学校の教職員のうち22%が保護者からの長時間拘束や暴言、脅迫を受けた経験があると回答。影響として最も多かったのは「時間外労働の増加」で、続いて「仕事の意欲低下」や「心身の不調」が報告されています。

教員の現場から上がる悲鳴

関東地方の中学校で勤務する30代の男性教員は、「保護者対応が原因で同僚が心を病み、登校できなくなったケースもある」と証言。
中には「保護者に遭遇するのが怖く、勤務校周辺を1人で歩けなくなった人もいる」と語りました。5月には東京都立川市立小学校で男2人が校内に侵入し、教員を暴行する事件も発生。教育現場の安全とメンタルヘルスを守る仕組みづくりが急務となっています。

防止策は「見える化」と「マニュアル整備」

専門家は、保護者カスハラ防止のためには「学校側が事前に対応方針を公開することが有効」と指摘。教育委員会が「対応マニュアル」や「相談窓口」を整備し、保護者に明確なルールを提示することでトラブルを未然に防ぐことができるとしています。
すでに複数の自治体で同様のマニュアル策定が進められており、東京都の条例を契機に全国的な取り組みが広がる見込みです。

まとめ──保護者カスハラ防止で教育現場を守る

保護者からのクレームや暴言などのカスタマーハラスメント(カスハラ)は、教員のメンタル不調や教育現場の荒廃を招く深刻な問題です。東京都の防止条例を機に、学校・教育委員会・地域社会が一体となって「教員を守る仕組み」と「保護者との対話のルール」を整備することが求められています。

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