2026.04.18

福井県立病院のハラスメント調査で150人が「今も悩む」。前知事の被害申告も残した職場の深い不信|一般社団法人クレア人財育英協会

【出典】福井県立病院のハラスメント調査結果公表 前知事から被害申告も2人


福井県立病院の調査で見えたのは、件数の多さより「今も続いている」という重さでした

福井県は4月17日、福井県立病院を対象に実施したハラスメント調査の結果を公表しました。

1137人が回答し、そのうち150人が「現在ハラスメントに悩んでいる」と答えたとされています。問題が過去の整理ではなく、いま職場の中で進行していることが、この数字で露出しました。


回答率は75% 主に訴えられたのはパワーハラスメントでした

調査対象は県立病院の職員で、回答率は75%だったとされています。

内容としては、主にパワーハラスメントが訴えられたと報じられています。ハラスメントは特殊な例外ではなく、一定の規模で日常の中に残っている問題として現れています。


行為者として多く挙がったのは看護師と医師 関係性では上司が目立ちました

ハラスメントの行為者として指摘された職種は、看護師、医師の順で多かったとされています。

また、被害を受けた人との関係性では、上司が多かったと報じられています。ここで見えるのは、医療現場の忙しさそのものではなく、上下関係の中で圧力が固定されやすい構造です。


相談や申告に動いたのは約4割 多くは沈黙を選んでいました

被害を受けた人のうち、上司や同僚への相談など何らかの行動を取ったのは約4割にとどまったとされています。

逆に言えば、多くは動かなかったということです。ハラスメントがあるかどうかだけではなく、相談しても変わらないと思わせる職場になっていなかったかが、ここで問われています。


前知事からのセクハラ被害申告も2人 「見た・聞いた」との回答もありました

調査では、杉本達治前知事からセクシュアルハラスメントを受けていたとする申告も2人からあったとされています。

さらに1人が「見た・聞いた」と回答したと報じられています。前知事の問題は個人の不祥事として切り離されず、県立病院の職場環境にも影を落としていたことがうかがえます。


県は通常勤務への支障を避けて調査を実施 数字の裏にある現場の声が次の課題です

県立病院での調査は、通常の勤務体制に支障が生じないよう、県庁職員とは異なる3月6日から19日の日程で実施されたとされています。

回答者の内訳は看護師656人、医師94人などだったとされています。調査を実施したこと自体は前進ですが、本当に問われるのはこの数字をどう扱うかです。件数の把握で止まるのか、個別の救済と職場の修復につなげるのかが次の分岐になります。


雇用クリーンプランナー(KCP)の視点 「今も悩んでいる」を統計で終わらせないことが先です

この件の核心は、150人という数そのものではありません。そこに「現在も」と付いていることです。つまり、過去の反省ではなく、今なお止められていない空気があるということです。ここも運用で決まります。

次の一手は3つです。
①初動:調査で悩みを申告した人を、集計結果の一部で終わらせず、外部相談窓口や聞き取りにつなげます。記録、時系列、関係者を整理し、個別救済に移る導線が必要です。
②通報設計:上司が加害側になりやすいなら、直属ラインを通らず相談できる窓口と、不利益取扱い禁止を明文化しなければなりません。約4割しか動けていないなら、制度の側がまだ遠いということです。
③再発防止:看護師、医師、管理職を含む職種ごとの研修と、職場アンケート、配置後のフォローまで回します。心理的安全性と安全配慮義務は、数字を公表しただけでは回復しません。


結語 病院で本当に怖いのは、忙しさではなく「どうせ変わらない」という諦めです

医療現場には緊張と忙しさがあります。ですが、人を黙らせる理由にそれを使い始めた時、組織は患者より先に内側から壊れます。

判断軸は単純です。ハラスメントがあるかではなく、悩んでいる人が本当に助けを求められるかどうかです。150人という数字より重いのは、その中の多くが、まだ沈黙の側に置かれていることです。

お申し込みはこちら