2026.10.03
小松市民病院で看護部の50代職員がパワハラ処分、外部相談窓口への申告が端緒
この記事の結論:石川県の小松市は2026年9月30日、市民病院看護部の50代の主査級職員が、部下に対して高圧的な非難や叱責を行うパワーハラスメントがあったとして、減給10分の1(2カ月)の懲戒処分にしたと発表しました(北國新聞が10月1日付で報道)。職員は同日付で依願退職しています。市民病院では4月にもパワハラで職員2人が懲戒処分を受けており、再度の事案となりました。今回は、病院が外部に委託している相談窓口に職員1人が申告したことが端緒とされています。発覚の入り口として「社内の上下関係から独立した相談窓口」が機能することを示す一方、処分のあとも再発を防ぐ管理職への教育と職場風土づくりが問われる事案です。
- 2024〜25年に職員3人に対し、「早く帰れ」「何の仕事ができるんだ」と高圧的な口調で繰り返し、不機嫌な態度でため息をつくなどしたとされる。
- 病院が外部に委託している相談窓口に、職員1人がパワハラを申告したことが発覚のきっかけとされる。
- 4月にも同じ病院で職員2人がパワハラで懲戒処分を受けており、処分後の再発防止と管理職への教育が課題になる。
小松市民病院のパワハラ処分、報道された事実関係
北國新聞の報道によると、小松市は9月30日、部下に対して高圧的な非難や叱責を行うパワハラ行為があったとして、市民病院看護部の50代の主査級職員を減給10分の1(2カ月)の懲戒処分にしたと発表しました。職員は同日付で依願退職しました。市によると、この職員は2024年から2025年にかけて、職員3人に「早く帰れ」「何の仕事ができるんだ」と高圧的な口調で繰り返し、不機嫌な態度で何度もため息をつくなどしたとされています。
病院が外部機関に委託している相談窓口に、職員1人からパワハラの申告があったといいます。市は個人の特定につながるとして、加害職員の性別や詳しい所属は明らかにしていません。市長は「遺憾の極みで市民に深くおわびする。改めて綱紀粛正を徹底する」とコメントしたと報じられています。市民病院では4月にもパワハラで職員2人が懲戒処分を受けており、今回は再度の事案となりました。
報道された内容から、組織として学べる視点を整理すると以下の通りです。
| 項目 | 報道された内容 | 組織が学べる視点 |
|---|---|---|
| 行為の内容 | 2024〜25年に職員3人へ、「早く帰れ」「何の仕事ができるんだ」と高圧的な口調で繰り返し、ため息などの不機嫌な態度もあったとされる。 | 言葉の内容だけでなく、口調や態度の積み重ねも問題になり得る。 |
| 発覚の経緯 | 外部に委託している相談窓口に、職員1人が申告した。 | 上司や同僚に相談しにくい場合でも届く、独立した窓口の価値が大きい。 |
| 処分と今後 | 減給10分の1(2カ月)の懲戒処分、同日付で依願退職。4月にも2人が処分を受けていた。 | 処分後の再発防止、管理職研修、職場風土の見直しまで一体で進める。 |
外部相談窓口が「入り口」、そのあとに問われる再発防止
私たち一般社団法人クレア人財育英協会は、ハラスメントのない健全な職場環境づくりを推進する立場として、今回、外部に委託した相談窓口への申告が事案の端緒となった点に注目しています。医療・看護の現場は、勤務が重なり上下関係も強くなりやすいため、被害を受けた人が院内で声を上げにくいことがあります。外部窓口は、その最初の入り口として重要な役割を果たします。
ただし、相談窓口があるだけでは再発は防げません。報道のとおり同じ病院で4月にも処分があったことは、処分を出したあとの管理職への教育、指導とパワハラの違いの共有、日々のコミュニケーションの見直しが欠かせないことを示しています。個人を責めるだけでなく、組織として「なぜ起きたのか」「どうすれば繰り返さないか」を検証する姿勢が大切です。
雇用クリーンプランナー(KCP)の視点:外部相談窓口を活かし、再発を防ぐ要点
今回の報道を踏まえ、企業や団体がまず取り組みたいポイントは以下の通りです。
- 独立した相談窓口の整備と周知:
社内の上下関係から独立した窓口を設け、連絡先や相談の流れ、秘密が守られることを繰り返し周知します。申告した人が不利益を受けないことも明文化します。 - 管理職向けの「指導」と「パワハラ」の線引き研修:
「早く帰れ」「何の仕事ができるんだ」のような言葉が、受け手にどう響くかを具体例で共有します。指導が必要な場面でも、事実と改善点を落ち着いて伝える方法を身につけてもらいます。 - 処分後の検証と、継続的なフォロー:
事案ごとに原因、背景、再発防止策を検証し、結果を組織内で共有できる範囲で伝えます。被害を受けた人のケアと、職場の雰囲気を確認する取り組みを続けます。
結語:窓口を「置く」から「活かす」へ
外部の相談窓口に届いた声が、事案の把握と対応につながりました。窓口は、設置して終わりではなく、使われてこそ意味があります。申告した人が守られ、事案が検証され、再発防止に生かされる流れをつくることが、職場への信頼を支えます。
企業や団体も、自社の窓口が実際に使われているか、管理職が指導とパワハラの違いを理解しているかを、改めて点検してみてください。
外部窓口を活かし、再発しにくい職場体制をつくるために
パワーハラスメントは、勤務体制や上下関係の強い職場ほど表面化しにくく、被害を受けた人の離職や心身の不調、組織への信頼低下につながりかねない重大なリスクです。一般社団法人クレア人財育英協会では、ハラスメント撲滅のための啓蒙活動の一環として、相談窓口の運用、管理職への指導、公正な事実確認と再発防止の体制構築をサポートする専門家「雇用クリーンプランナー(KCP)」の育成と認定を行っています。
「外部相談窓口を実効性のある形で運用したい」「管理職が指導とパワハラの違いを理解できる研修を整えたい」とお考えの企業様は、ぜひ当協会の資格認定プログラムをご活用ください。
