2026.09.30
ローソンがカスハラ対策を強化 加盟店向けに弁護士の無料相談窓口を設置、10月1日から
この記事の結論:ローソンが10月1日から、加盟店のオーナーや店舗責任者が無料で利用できる「弁護士が対応する専門相談窓口」を設けるなど、カスタマーハラスメント(カスハラ)対応を強化することが、流通ニュースの2026年9月29日の記事で報じられました。あわせてカスハラの定義や判断基準、エスカレーション基準を店舗向けマニュアルで明確化し、求職者等へのセクハラ対策として面接官向けeラーニングなども進めるとされています。10月1日からは改正労働施策総合推進法と改正男女雇用機会均等法により、カスハラ対策と求職者等へのセクハラ防止措置が全ての事業主の義務になります。現場に判断を丸投げしない「相談先・基準・手順」を、本部と現場の双方で整えることが義務化対応の核心です。
- ローソンは10月1日から、加盟店のオーナー・店舗責任者向けに、弁護士が対応する無料の専門相談窓口(平日10時〜18時、電話・メール)を設ける。
- 店舗向けマニュアルを改訂し、カスハラの定義・判断基準、事案発生時の対応フロー、エスカレーション基準を明確化する。
- 求職者等へのセクハラ防止措置として、面談方法などのルール策定、面接官向けeラーニング、求職者向け相談窓口の整備・周知を進める。
ニュースの詳細:相談窓口・マニュアル・採用現場の3方向で備える
流通ニュースによると、ローソンは2026年10月1日から、カスハラ対応を強化します。柱の一つが、加盟店のオーナーや店舗責任者を対象にした専門相談窓口です。弁護士が対応し、利用は無料、受付は平日の10時から18時まで、電話とメールで相談できるとされています。
二つ目は店舗向けマニュアルの改訂です。「カスハラの定義や判断基準を明確化するほか、事案発生時の対応フローの整理、エスカレーション基準の明確化などを行う」と報じられています。何をカスハラとみなし、どの段階で誰に引き継ぐのかを文書にすることで、現場の担当者が一人で判断する場面を減らす狙いがうかがえます。
三つ目が、求職者等に対するセクハラ防止措置です。面談方法などのルールの策定、面接官向けのeラーニング、求職者向け相談窓口の整備と周知が挙げられています。同社は、10月1日に施行される改正労働施策総合推進法と改正男女雇用機会均等法への対応として、これらを進めるとしています。
報じられた取り組みを、自社に置き換えたときの論点とあわせて整理すると次のとおりです。
| 取り組み | 報じられた内容 | 自社に置き換えたときの論点 |
|---|---|---|
| 専門相談窓口 | 加盟店のオーナー・店舗責任者向け。弁護士が対応し無料。平日10時〜18時、電話・メール。 | 現場が「迷ったとき最初に連絡できる先」を、法的判断ができる専門家とセットで用意できているか。 |
| 店舗向けマニュアルの改訂 | カスハラの定義・判断基準、対応フロー、エスカレーション基準を明確化。 | 「悪質なクレーム」という言葉だけでなく、自社で実際に起きる言動を基準として書き出せているか。 |
| 求職者等へのセクハラ防止措置 | 面談方法などのルール策定、面接官向けeラーニング、求職者向け相談窓口の整備・周知。 | 採用面接・説明会・インターンなどの接点で、誰が対応し、どこへ相談できるかを決めているか。 |
協会としての見解:本部が「現場を一人にしない」約束を形にした
私たち一般社団法人クレア人財育英協会は、ハラスメントのない健全な職場環境づくりを推進する立場として、今回の取り組みを、判断を現場の個人に背負わせないという方向を具体的な仕組みにした事例として受け止めています。カスハラ対応で現場が最も苦しむのは、「これは断ってよいのか」を誰にも確認できないまま、その場で耐えるしかない状況です。専門家に相談できる窓口と、判断基準・引き継ぎ手順の文書化は、その状況を変える基本的な部品です。
あわせて注目したいのは、カスハラ対策と求職者等へのセクハラ対策が同時に取り上げられている点です。10月1日からは、この二つが全ての事業主の義務として並びます。店舗数や従業員数の多寡にかかわらず、方針・相談体制・手順という同じ骨格を整えることが求められます。店舗ごとに事業主が異なる形態では、一般に、それぞれの事業主が措置を講じる立場になると考えられるため、本部が支援の仕組みを持つことの意味は小さくありません。個別の判断は、専門家にご確認ください。
雇用クリーンプランナー(KCP)の視点:義務化初日までに点検したい3つの仕組み
ローソンの事例を手がかりに、規模を問わず点検したいポイントを整理します。
- 相談先の一本化と周知:
現場が迷ったときに最初に連絡する先を一つに決め、連絡方法と受付時間を全員が知っている状態にします。社内だけで抱えず、外部専門家と連携できる経路も確保します。 - 判断基準と引き継ぎ手順の文書化:
カスハラに当たる言動の例、対応を打ち切る目安、上長・本部へ引き継ぐ基準を書き出します。基準は現場の言葉で具体的に示すほど機能します。 - 採用の接点を含めた体制づくり:
面接官・受入担当者に方針を周知し、面談の方法や連絡ルール、求職者向けの相談先を決めます。顧客対応と採用対応を別々に考えず、相談・記録・再発防止の流れを共通化します。
結語:迷ったときに電話できる先があるか
10月1日は、多くの企業にとって「対策を始める日」ではなく「整っているかを問われる日」です。大手企業が相談窓口とマニュアルを打ち出す一方で、中小企業でも同じ問いは変わりません。現場の従業員が判断に迷ったとき、誰に、どうやって相談できるのかを言葉にしておくことが出発点です。
完璧な仕組みを一度に整える必要はありません。相談先を決める、判断基準を一枚にまとめる、採用の面談ルールを決める。できるところから着手し、運用しながら見直していくことが、従業員と求職者を守る近道です。
カスハラ対応と採用現場の体制を、実効性のある形で整えるために
カスタマーハラスメントや採用時のセクハラは、現場任せにすると被害が潜在化し、離職や採用機会の損失につながりかねない経営リスクです。一般社団法人クレア人財育英協会では、ハラスメント撲滅のための啓蒙活動の一環として、カスハラ対応方針や判断基準の策定、相談窓口の運用、採用面談のルールづくり、事実確認と再発防止の体制構築をサポートする専門家「雇用クリーンプランナー(KCP)」の育成と認定を行っています。
「10月1日の義務化に向けて、相談窓口と対応手順を整えたい」「面接官や現場責任者が迷わない基準をつくりたい」とお考えの企業様は、ぜひ当協会の資格認定プログラムをご活用ください。
